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公開日:2018年3月23日

中小企業は「是正昇給」にこだわろう

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福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

マスコミ報道で、大手企業でベースアップ、前年越えが相次いでいる、との報道がある。よく賃上げ率は2%実施しなければならないなどともいわれる。政府は「3%賃上げ」を求めている。

この「賃上げ」について、私は大手企業と中小企業で意味が異なっているという持論がある。大手企業の賃上げとは「賃上げ=ベースアップ+定期昇給」である。これに対して中小企業は「賃上げ=定期昇給+是正昇給」ととらえるのが正解である。中小企業はそもそも賃金表(テーブル)を持っていないことが多い。だから、賃金表そのものを書き換えて全体を底上げするベースアップというのはなじまない。実態としてベースアップと定期昇給の区別がないのだ。

この「是正昇給」とは何か?こんな言葉は一般的ではない。私の造語だからだ。昇給には3つある。①「定期昇給」(年1回程度、定期に行う昇給)、②「昇格昇給」(等級の昇格、役職への昇進を伴う昇給)そして、③「是正昇給」である。是正昇給は定期昇給では追いつかない「万単位」の大幅昇給である。若手の採用難・定着難のいま、中小企業のいまこの「是正昇給」が求められている。

たとえば、A君 22歳で入社して32歳の社員は定期昇給が行われ、基本給26万円であったとする。一方、B君 29歳で入社して32歳の社員の基本給は22万円であったとする。中小企業は後者のB君のような社員の方が一般的であったりする。このような場合、3年経過して、一定の評価がなされたら、思い切ってB君に対して「是正昇給」を行うことをおすすめする。評価がよい場合 定期昇給6000円+是正昇給14000円=2万円などを実行する。

中小企業は中途入社・中途退社が多いので、賃金表に基づいた予定調和の昇給ではなく、もっとダイナミックでかつタイムリーな「是正昇給」を行うことが優秀な人材の定着につながる。

注意点は上記の例でいえば、14000円は是正昇給分であることを伝えておくことだ。さもないと、来年ややこしいことになる。

中小企業はベースアップを行う原資がなかなかとれない。それは定期昇給に加えて、是正昇給を行わなければならないからだ。

昨今の特に若手の売り手市場下においては、いかに上手な「是正昇給」を行うかが経営の競争力を決めるだろう。

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