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公開日:2017年9月6日

中小企業は若手の定着のためにMJTを整備しよう

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福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

昨今、人事給与コンサルティングのニーズが高まっています。その背景には人出不足、特に若い人の採用と定着問題があります。私は若手が定着している会社とそうでない会社を毎日見る立場にあります。若い人が辞めるタイミングは大きく2つあります。一つは入社3年以内です。そして、もう一つは30歳前後です。35歳までにキャリアチェンジしなければ不幸なキャリアになるという”あせり”があります。そこで今回は若手の定着のための中小企業の労務政策のコツを述べてみたい。

その1 M(見通し)


『先生、「この会社では先が見えないので辞めます」と言われました』ということをもう何回聞いたかわかりません。若い人は先を見せて欲しい。つまり、この会社で長く働いて報われるのかという確証が欲しいのです。私は今年45歳になるのですが、私たちの世代は結構、大学を出ていてもキャリア格差がついた世代です。テレビのドキュメンタリーで派遣会社とアルバイトを掛け持ちし、「この手取りでは結婚もあきらめています」とコンビニ弁当を食べながら語る人の映像が流されるのも40歳前後の男性が多いものです。そようなオジサンたちを見て、平成生まれの若い人は「自分たちは絶対に負け組キャリアを歩みたくない」「安心・安全な未来が欲しい」その願いはとても強いのです。ですから、会社は可能な限り、未来を語り、ついてくれば悪いようにしないという物的証拠(中長期の経営方針書、処遇制度、福利厚生制度等)を提示することが求められています。いま、若い人がついて行きたくなるようなビジョンがあるか、伝えているかを経営者はシビアに問う必要があります。

その2 J(住宅)


2つ目は住宅費用のバックアップです。社宅はおすすめです。できれば、本人は少額の費用で借上社宅(とは言っても共同風呂、トイレなどではなく、ワンルームマンションです)を用意できればベストです。それと、会社から少し離れたところに社宅があるほうが良いです。あまり近いとプライベートの領域を侵される気がしてしまうようです。住宅のバックアップがあれば、特に京都は有利です。修学旅行で京都に来た地方の学生さんを招致することができるからです。親元から通っている人よりも頑張って戴けます。

その3 T(つながり)


3つ目はつながりです。J(住宅)との関連でいえば、どこか1か所又は2か所のワンルームマンションに固めて住んで戴くのがいいです。ここで「つながり」をつくります。特に地方から出てきた高校生や専門学校生はこのつながりは重要です。また、同期とのつながり、コミュニケーションの場は入社初期(又は入社前)の頃に積極的につくり、つながりを強化します。同期なんていないという中小企業は先輩・後輩・上司とのつながりを強化したいものです。たとえ年が離れていても、つながりを強化する手段はいくらでもあります。サークル活動の支援や社員旅行の復活なども最近よく聞きます。制度・仕掛け・仕組み・場づくりによりつながりを意図してつくっているのです。

つながりが逆に作用し、退職者と在職者がLINE等で強固につながっていて、「あんな会社、やめろよ」という退職者からのお誘いがあるのでいかがなものか、という会社の懸念もあります。しかし、そのような情報にゆらいでしまうのは、M(見通し)が不明瞭で、かつ労働環境(労働時間と休日)に問題を抱えていることが多いものです。

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