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公開日:2018年9月18日

ケアマネジャー試験直前!第21回試験の対策と傾向

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吉田 匡和(介護ライター)

第21回介護支援専門員実務研修受講試験が、10月14日に全国で実施されます。今年度より、ケアマネジャーの資質や専門性の向上を目的として、資格要件の変更やケアマネジャー実務研修受講試験における解答免除が廃止されるなど、新要件となりました。昨年行われた第20回試験の振り返りと、第21回試験の傾向と対策を考えてみました。



2018年試験の変更点


相談援助業務経験の受験要件が、「介護施設などで相談援助業務に5年間従事する者」から「生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員」に変更。介護職員初任者研修や、無資格で10年間介護等の業務に従事した者など、介護福祉士以外での介護に関する資格要件が全廃されました。



近年の合格率と合格ライン


■ 合格率


第1回介護支援専門員実務研修受講試験は、介護保険制度導入の2年前にあたる1998年に実施されました。ケアマネジャーの数を多く確保するために合格率は44.1 %と、これまでで一番高い数字を記録しています。第2回試験も41.2 %と合格率は高く、第3回試験から第7回試験までが合格率30%を推移。第8回試験から第13回試験までが20%台、以降第19回試験までは10%台で推移しています。



■ 合格ライン


ケアマネジャーの試験は、介護支援分野(総得点25点)と保健医療福祉サービス分野(総得点35点)に分かれ、合格にはそれぞれの分野で7割以上の正答が必要と言われています。
第20回試験は、第19回試験よりも介護支援分野で2点、保健医療福祉サービス分野で3点アップしているものの、第16回試験と比較すると保健医療福祉サービス分野が3点ダウンしています。第20回試験の合格率21.5%に対し、第16回試験は15.5%と低い合格率となっていることから、第20回試験は何らかの理由により補正が行われたと考えられます。



実施時期 合格率 受験者数 合格者数 合格ライン
介護支援分野 保健医療福祉サービス分野
第20回平成29年度 21.5% 131,560人 28,223人 15点 23点
第19回 平成28年度 13.1% 124,585人 16,280人 13点 22点
第18回 平成27年度 15.6% 134,539人 20,924人 13点 25点
第17回 平成26年度 19.2% 174,974人 33,539人 14点 25点
第16回 平成25年度 15.5% 144,397人 22,331人 15点 26点


職種別合格者数


職種で見ると、介護福祉士が約7割を占めていることから、次のステップとしてケアマネジャーへの転職を考えている方が多いことが分かります。

ケアマネジャーは合格後に「介護支援専門員実務研修」を修了しなければ業務に就くことができないほか、その後も5年おきの更新研修が必要となります。専業でケアマネジャーを行っていない場合などは、手続きの複雑さや研修の日程が合わないなどの理由から更新手続きをしない人も多く、慢性的なケアマネージャー不足が課題となっています。

残念ながら医師や歯科医師などは、資格を取得してもケアマネジャー業務を専任で行う人は少ないため、合格者数が増加してもケアマネジャー不足解消に繋がりません。



職種別合格者数(第20回)


職     種 人数 構成比率
医師 41 人 0.1 %
歯科医師 33 人 0.1 %
薬剤師 158 人 0.6 %
保健師 384 人 1.4 %
助産師 33 人 0.1 %
看護師、准看護師 2,413 人 8.5 %
理学療法士 891 人 3.2 %
作業療法士 462 人 1.6 %
視能訓練士 6 人 0.0 %
義肢装具士 5 人 0.0 %
歯科衛生士 155 人 0.5 %
言語聴覚士 79 人 0.3 %
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 309 人 1.1 %
柔道整復師 167 人 0.6 %
栄養士(管理栄養士を含む) 324 人 1.1 %
社会福祉士 2,219 人 7.9 %
介護福祉士 19,838 70.3 %
精神保健福祉士 294 人 1.0 %
相談援助業務従事者・介護等業務従事者 4,496 人 15.9 %
合     計 32,307 人

出典: 厚生労働省「第20回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」



2018年ケアマネジャー試験のポイント


ケアマネジャーの試験は、60問を試験時間120分内にマークシート5肢複択方式で解答します。普段から介護保険についての知識が問われる相談援助職などが有利です。今回の試験では、2018年の介護保険法改正を問う問題が出題されることが予想されます。



■ 2018年の介護保険法改正のポイント


① 自己負担割合が最大3割負担に変更
8月から実施された現役並み所得のある利用者の3割負担導入されました。

② 収入に応じて保険料が変わる
介護納付金における総報酬割の導入により、40~64歳の被保険者による負担が、収入に応じて変わるようになりました。

③ 自立支援・重度化防止を見据えた「インセンティブ」を創設
自治体の機能を強化し、高齢者の自立支援・重度化防止に取り組むことを目的に、自立支援・重度化防止のための取り組みに対して財政的インセンティブ(報奨金)が付与されることになりました。

④ 医療・介護ニーズに応えた「介護医療院」
長期にわたって療養が必要な要介護者に対して、介護療養病床などに代わる介護医療院が創設されました。

⑤ 地域共生社会の実現に向けた「共生型サービス」
障害者と高齢者は、別々の事業所でサービスが実施されていましたが、今回の改正によって、一体的に行う共生型サービスが創設され、障害福祉サービス事業所等でも介護保険事業所としてサービスを提供きるようになりました。

以上の5つは、2018年度介護保険改正の大きなポイントです。問題集を何度も解くなど、詳細を解答できるようにしておきましょう。



リラックスするためのコツ


一夜漬けで合格できる内容ではありませんので、受験する方はすでに試験を受けるだけの状態にあるかと思います。100%の準備をしていたつもりでも、会場の雰囲気に必要以上に緊張したり、見慣れない問題に動揺して頭が真っ白になり、実力を出し切れなかったと言う話も耳にします。ちょっとした工夫でリラックスすることができますので、実践してみてください。



会場の下見をする


会場が近い場合は、事前に下見をすることをお勧めします。会場までの交通機関や所要時間があらかじめわかるだけでなく、一度来ているという安心感が持てます。中に入ることができなくても外観を知るだけでも効果的です。



自分を過小評価しない

周りの雰囲気に萎縮し、「自分なんて…」と思い始めたら負け。試験は自分との戦いです。「自分が合格しなくて、誰が合格する?」くらいの気持ちで挑みましょう。



分からない問題に固執しない


わからない問題は飛ばして解答できる問題に着手しましょう。問題が解けるようになれば自信にもなります。気持ちが落ち着いたときに、わからなかった問題にチャレンジしてください。



■著者■ 
吉田 匡和
介護ライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。
HP:https://buleorca.webnode.jp/

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