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公開日:2018年9月10日

介護福祉士の職能団体 介護福祉士会の現状と展望

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吉田 匡和(介護ライター)

介護福祉士の職能団体である「介護福祉士会」は、介護に関する啓蒙、啓発活動や介護福祉士の利益を守るための政治活動、ロビー活動のほか、研修会や講演会の開催、会報誌の発行などを行っています。介護福祉士の地位向上や個々のスキルアップには欠かせない団体ながら入会率は低く、会員数が減少している都道府県も見られます。介護福祉士会とは、どのような団体なのか。活動内容や実態を一般社団法人 北海道介護福祉士会に伺いました。



介護福祉士会とは


介護福祉士会は、東京に設置された「日本介護福祉士会」と、各都道府県に設置された「都道府県介護福祉士会」で構成されます。また北海道などの広域なエリアは、いくつかの支部を構成しています。

介護福祉士に合格すると介護福祉士会への加入案内が一緒に届きます。入会は任意で、社会福祉士及び介護福祉士法第42条の規定により介護福祉士として登録し、入会を希望する都道府県に居住または勤務先がある方が対象です。

正会員の入会金 は5,000円(日本介護福祉士会に納入)、日本介護福祉士会の年会費3,000円、それに各都道府県介護福祉士会が定めた年会費(北海道介護福祉士会は5,000円)が必要となります。それ以外に、本会の趣旨に賛同する個人・法人団体・企業等に加盟を求める賛助会員も設定されています。



入会率わずか5%の現状


日本介護福祉士会は、「介護福祉士の職業倫理の向上」、「介護福祉に関する実践研究交流を通してその専門性を高める」、「介護に関する知識技術・経験を深め、介護福祉士の資質の向上を図る」を目的に掲げていますが、入会率はわずか5%と低迷。医師会が6割、看護師会が5割の入会率であることを別格としても、同じ名称独占の職能団体である「日本社会福祉士会」の入会率が約25%であることと比べても、介護福祉士会の加入率の低さが顕著であることが分かります。介護福祉士会の活動や今後の展望について北海道介護福祉士会事務局に伺いました。



北海道介護福祉士会の現状


平成6年に設置された北海道介護福祉士会は札幌に事務局を置き、全道10か所に支部を置き、初任者に向けたファーストステップ研修や介護福祉士基本研修、今後は外国人介護士の指導者に向けた研修など、研修会の開催を中心に活動しています

会員数は約900人。全道の介護福祉士の登録数が約4万人であることから、全国平均の5%を下回っているのが現状です。同会としても会員数の減少に危機を感じながら、「会長を始めとする役員や事務局はすべて施設などの仕事と兼務しているため、活動には制限が伴う」と言います。今回話を伺った事務局長の羽山政弘氏も、軽費老人ホームの施設長を兼務。同会の活動は、本業の合間に行われています。



事務局長の入会理由


介護職員に介護福祉士会に入会していない理由を尋ねると、「高い会費を払っても、会報が届いたり、研修の参加費が少しだけ安くなるだけ」という意見をよく耳にします。つまりメリットや費用対効果の低さが、会員数増加の妨げとも考えられます。その点を羽山事務局長に伺うと、こう答えてくれました。

「私自身は、本会に何かメリットを期待して入会したわけではありません。介護福祉士として仕事をする以上、職能団体に所属するのが当然と思っていました。だからと言って何かアクションを起こすわけではなく、入会しているだけの時間を長く過ごしていました」と言います。しばらくは「幽霊会員」であった羽山氏が、積極的に参加するようになったのは、デイサービスセンターの相談員に起用されたことがきっかけだといいます。



困ったときに相談できる仲間ができる


介護職と異なり、デイサービスセンターの相談員は一人だけの勤務であったため、同じ立場で悩みを打ち明けられる人がいませんでした。相談員仲間に介護福祉士会に入会している方がおり、「せっかく入会しているなら、会の仕事を手伝って」と誘われて、積極的にかかわるようになったそうです。研修会などにも参加することで他の施設の職員とも親しくなるなど、「困ったときに相談できる仲間ができた」と振り返ります。

「制度や介護技術など、自己研鑽で学べることもありますが、人のつながりを作ることは、入会していなければ難しいことです。自分と同じ資格を持った人同士が情報交換できる場があることが最大のメリットだと思います」と語ってくれました。積極的に参加して学ぼうと考えている人だけでなく、業務に疲弊している人も拠り所として活用してほしいと希望しています。



今後の展望


各都道府県によって介護福祉士会の活動は様々で、積極的に会員を増やすことでマンパワーを駆使した取り組みを行っている地域もあります。北海道介護福祉士会で行っているファーストステップ研修は、「介護福祉士としての自分の在り方を見直すことができた」、「自分自身に自信を持ち、職場で介護力を活かせる内容だった」と参加者に好評であることから、各施設における人材育成の一環として利用してもらいたい考えです。また、2018年11月11日に札幌市内の商業施設で、社会福祉士会と合同の介護相談会を開催するなど、他の組織と協働した活動を予定しています。羽山事務局長は、「こんな活動をしているのなら、入会してみようかなと思うような会にしたい」と結びました。



■著者■ 
吉田 匡和
介護ライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。
HP:https://buleorca.webnode.jp/

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