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公開日:2018年9月7日

シャッター街に人を集わせたい「言語聴覚士がオーナーの嚥下カフェ」

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吉田 匡和(介護ライター)



北海道・北見市の言語聴覚士が中心となり、嚥下障害の啓発活動・予防を目的とした任意団体を設立しています。「安定した生活を送るためには嚥下機能の改善が必要」と、嚥下サロンや講演会などを通じて、食べる力の大切さを幅広い年代に伝えています。最近では街中に「嚥下カフェ」もオープンしました。嚥下をキーワードに住民一丸となって地域を支える、任意団体「食べる力・円」の取り組みを、代表の橋田祐理子さんに伺いました。



嚥下障害とは


食べ物を飲み込むことを「嚥下」と言います。口から入った食べ物は、舌の運動により喉にある食道を通って胃に運ばれます。高齢や病気により、これらの能力が著しく低下することを「嚥下障害」と呼びます。嚥下障害が起こると栄養が低下するほか、食物が気道へ入りやすくなるため、嚥下性肺炎を引き起こしやすくなります。



食べ物を飲み込むことを「嚥下」と言います。口から入った食べ物は、舌の運動により喉にある食道を通って胃に運ばれます。高齢や病気により、これらの能力が著しく低下することを「嚥下障害」と呼びます。嚥下障害が起こると栄養が低下するほか、食物が気道へ入りやすくなるため、嚥下性肺炎を引き起こしやすくなります。



全国的にも珍しい「フリー言語聴覚士」誕生


代表の橋田祐理子さんも心を痛めた一人でした。高校3年生の頃、脳梗塞を繰り返し、認知症だった祖父が、医師から「もう口から食べることはできない」と宣告を受け、家族で相談のうえ、胃ろうを造設しました。90歳と高齢なため、その半年後に他界したものの、あの時の判断が正しかったのか、後悔が残ったと言います。橋田さんは、「高齢者や家族の力になりたい」と言語聴覚士になることを決意。2009年に札幌の専門学校を卒業すると、北見市内の介護老人保健施設(老健)に勤務し、言語聴覚士としてキャリアをスタートさせました。



老健でリハビリに従事していた橋田さんですが、「一日に接することができる人数は限られている。もっと大勢を支援する方法はないものか」という考えに行きつきます。やがてサロンや講習会などを通じて嚥下障害の理解や予防に取り組みたいと言う思いが強くなり退職。2016年に全国でも珍しい「フリー言語聴覚士」としての道を歩むことになりました。



これまで在籍していた老健に非常勤セラピストとして勤務しながら、学校や地域の福祉団体で講演を行うなど精力的に活動を開始。その考えに賛同した北見市内や網走市在住の言語聴覚士や介護福祉士ら10人が集まり、2017年に任意団体「食べる力・円」を設立しました。



食べる力のすばらしさを伝えたい


「食べる力・円」はおもに、「嚥下サロン事業」「嚥下教育・食育事業」「講演事業」の3つが柱となっています。「嚥下サロン事業」では、市内の公民館やグループホームなどで、嚥下サロンを開催。各地域の老人クラブ、高齢者主体運営サロンなどで、出張嚥下サロンも行っています。内容はいずれも食べる仕組みの講演、嚥下体操、握力測定、歩行速度測定などを行っています。自宅でできるシャキアエクササイズも好評で、「苦しむことが少なくなった」「薬が喉にひっかからなくなり、不安なく飲めるようになった」など、嚥下状態が改善されたと喜びの声が寄せられています。



「嚥下教育・食育事業」では、認定こども園、保育園 、幼稚園 、小学校など、子供の食育に関心のある機関に出向き、オリジナル紙芝居による嚥下教育や食育を行っています。少年が祖母の嚥下障害を通じて、食べることの大切さや、食べ物の大切さを理解する紙芝居のストーリーについて橋田さんは、「おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に、おいしくごはんを食べられるって『うれしいこと』『幸せなこと』と思ってほしい」と言います。約30分の紙芝居には、食が命と直結していることを伝えたい橋田さんの思いが込められていました。

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