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公開日:2018年7月24日

地域包括支援センター強化に向けた、業務の取り組みを把握する評価指標(1)

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吉田 匡和(介護ライター)

-目次-
地域包括支援センター強化に向けた、業務の取り組みを把握する評価指標(1)
 - 評価指標作成の経緯
 - 評価指標の詳細(厚生労働省通知から)
 - 組織・運営体制等
地域包括支援センター強化に向けた、業務の取り組みを把握する評価指標(2)
 - 個別業務① 総合相談支援業務
 - 個別業務② 権利擁護業務
 - 個別業務③ 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
 - 個別業務④ 地域ケア会議
 - 個別業務⑤ 介護予防ケアマネジメント・介護予防支援
地域包括支援センター強化に向けた、業務の取り組みを把握する評価指標(3)
 - 事業間連携(社会保障充実分事業)

厚生労働省は、地域包括支援センター強化に向けて、業務の取り組みを把握する評価指標を作成しました。同省は認知症など介護関連事業の負担が増加する中、認知症初期集中支援チームとの連携などの業務を適切に把握し、人員の確保や業務の重点化・効率化につなげたい考えです。

評価指標作成の経緯

2017年度の介護保険一部改正で、「市町村や地域包括支援センターは、地域包括支援センター事業について評価を行うとともに、必要な措置を講じなければならない」とされたことを踏まえ、厚生労働省は全国で統一して用いる評価指標を作成、都道府県などの介護保険担当部局に通知しました。

地域包括支援センターは、介護予防ケアマネジメントや包括的支援事業などを担っており、地域住民に対し、心身の健康を保持するために必要な援助などを行っており、地域包括ケアシステムの構築を推進していく上で重要な機能を担っています。しかし過大な業務が負担になっているなど、解決すべき課題が山積していました。

厚生労働省は、地域包括支援センターが地域で求められる機能を発揮するためには、全市町村と地域包括支援センターの人員体制や業務状況を定期的に明らかにし、その結果を踏まえて必要な改善を図ることが重要と考え、評価指標の作成に着手しました。

評価指標の詳細(厚生労働省通知から)

1 組織・運営体制等

2 個別業務 
 ①総合相談支援業務
 ②権利擁護業務
 ③包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
 ④地域ケア会議
 ⑤介護予防ケアマネジメント・介護予防支援

3 事業間連携(社会保障充実分事業)

組織・運営体制等

市町村指標 センター指標 留意点
運営協議会での議論を経て、センター運営方針を策定し、センターへ伝達しているか 市町村が定める運営方針内に沿って、センター事業計画を策定しているか (市町村・センター) 紙面などで策定されている場合に、指標内容を満たす
年度ごとのセンター事業計画策定にあたり、センターと協議を行っているか 事業計画策定にあたって、市町村と協議し、市町村から受けた指摘がある場合、これを反映しているか (市町村・センター) ・協議方法などは問わない ・協議記録が残されている場合に、指標内容を満たす
前年度の運営協議会での議論を踏まえ、センター運営方針、センターへの支援・指導の内容を改善したか 市町村の支援・指導内容により、逐次、センター業務改善が図られているか (市町村) 前年度に開催した運営協議会で、意見または指摘が出されなかった場合は指摘内容を満たさない
市町村とセンターの間の連絡会合を、定期的に開催しているか 市町村が設置する定期的な連絡会合に、毎回出席しているか (センター) 原則的に毎回出席していれば、出席を予定していた連絡会合に、虐待対応など緊急対応のため出席できないことがあった場合も、指標内容を満たす
センターに対して、担当圏域の状況やニーズの把握に必要な情報を提供しているか 市町村から、担当圏域の現状やニーズの把握に必要な情報の提供を受けているか (市町村・センター) ・次の7つの情報のうち、3つ以上提供している、または提供されている場合に、指標内容を満たす。
①担当圏域の高齢者人口
②担当圏域の高齢者のみ世帯数
③介護予防・日常生活圏域ニーズ調査等の各種住民アンケート結果
④要介護等認定者数やサービス利用状況等の介護保険情報
⑤民生委員や地域のサロン運営者など地域の関係団体情報
⑥地域の社会資源に関する情報
⑦その他のニーズ把握に必要な情報 ・データ、書面、システム等で提供している・提供されている場合に、指標内容を満たす
(市町村指標なし) 把握した担当圏域の情報やニーズに基づき、センターの実情に応じた重点業務を明らかにしているか (センター) 重点業務を定めた検討の記録が残されている場合に、指標内容を満たす
センターに対して、三職種の配置を義務づけているか 市町村から配置を義務付けられている三職種を配置しているか (市町村・センター)
・介護保険法施行規則に定める基準に基づく人員配置状況を評価
・施行規則第140条66第1号ロの基準が適応される場合は、それに基づく人員の配置状況を評価
・直営センターは、施行規則に定める基準に基づく人員配置が、組織規則などで定められている、またはその他の方法で明示されることで指標を満たす。
・包括的支援事業の実施基準を定める条例に定めているのみでは指標内容を満たさない
センターにおいて、三職種(それぞれの職種の準ずる者は含まない)が配置されているか (センター指標なし) (市町村)
・三職種が配置されている場合に、指標内容を満たす。ただし、介護保険法施行規則140条66第1号ロの基準が適用される場合は、それに基づく配置数を満たしている場合に、指標内容を満たす

・複数センターを設置している場合は、平均値を算出し、小数点第1位を四捨五入し整数化した値が基準による配置人員数であれば、指標内容を満たす
センターの三職種(準ずるもの含む)一人当たり高齢者数(全圏域内の高齢者数/全センター人数)が1500人以下であるか ※小規模の担当圏域におけるセンターは配置基準が異なるため、以下の指標を用いる
・第1号被保険者が
①概ね2000人以上3000人未満=1250人以下
②概ね1000人以上2000人未満=750人以下
③概ね1000人未満=500人以下
(センター指標なし) (市町村)
・三職種の人員配置基準は、介護保険法施行規則第140条66に定める基準
・センターが複数ある場合には、平均値で判定
・市町村に規模の異なる担当圏域が混在する場合、各センターの1人当たり高齢者数の合計が、各センター担当圏域の規模ごとの基準人数の合計を下回る場合には、指標内容を満たす
資質向上の観点から、センター職員を対象とした研修計画を策定し、年度当初までにセンターに示しているか 市町村から、年度当初までに、センター職員を対象とした研修計画が示されているか (市町村・センター)
・主催者、研修内容、時間数は問わない
・評価実施年度の4月までにセンターに示されている場合に、指標内容を満たす
(市町村指標なし) センターに在籍する全職員に対して、センターまたは受託法人が、職場での仕事を離れての研修(Off-JT)を実施しているか (センター)
・主催者・研修内容・時間数は問わない
センターに対して、夜間・早朝窓口(連絡先)設置を義務付けているか 夜間・早朝窓口(連絡先)を設置し、住民にパンフレットやホームページなどで周知しているか (市町村・センター)
・窓口設置ほか、緊急連絡先の設定などでも指標内容を満たす。例えば、携帯電話などへ電話転送を行っている場合も、指標内容を満たす
センターに対して、平日以外の窓口(連絡先)設置を義務付けているか 平日以外の窓口(連絡先)を設置し、住民にパンフレットやホームページなどで周知しているか (市町村・センター)
窓口設置ほか、緊急連絡先の設置などでも指標内容を満たす。例えば、携帯電話などへ電話転送を行っている場合でも、指標内容を満たす
介護サービス情報公表システムなどで、センター事業内容・運営に関する情報を公開しているか (センター指標なし) (市町村)
具体的な公表項目は、名称、所在地、法人名、営業日、営業時間、担当区域職員体制、事業内容、活動実績など

■著者■ 
吉田 匡和
介護ライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。
HP:https://buleorca.webnode.jp/

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