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公開日:2018年5月18日

介護業界のM&Aは今後増えるのか?

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介護経営 編集グループ

今後、介護事業を対象としてM&Aは増えていくのでしょうか?

一般的に、中小企業のM&Aの件数は景気に左右されます。意外かもしれませんが、不景気の方が企業は業績不振に陥り、やむを得ず売りに出される企業が多く出てくると思いがちですが、実は違います。

業績不振の会社が売却を希望しても、あえて買いたいという企業は少ないでしょうし、不景気の時は買い手の側も投資意欲が弱まるので、M&Aの成立は難しくなります。日本電産のように、経営再建を見越して、あえて業績不振の企業を買うケースもありますが。

一方、後継者がいないという理由で、会社の売却を決断する企業は、日本の中小企業の90%以上がオーナー企業であることから、景気に関係なく出てきます。
すると、好景気で買い手の買収意欲が高いほうが、よい条件が出て合意に至りやすいため、M&Aの件数は増えます。M&A市場は、売り手というよりは、むしろ買い手の投資意欲によって左右されるマーケットです。

では、今後の介護業界のM&Aはどのようになるでしょう?
次の3つの理由により、M&Aの件数が増えていくと考えます。

子供が継がない、子供に継がせたくない

個人の価値観は多様化し、親の商売は子供が継ぐ、以前なら当たり前の価値観が希薄になり、親も子供に継がせることを必ずしも考えなくなっています。

子供の側も、サラリーマンとして安定した生活を送っていれば、介護報酬制度に左右され、人の問題で苦しむような、あえてリスクの高い家業を継ごうとは思わないのが実態です。

子供に継がせないとなれば、残る道は「従業員への承継」「廃業」「M&A」のいずれかとなりますが、引き継ぐ能力を持った従業員が社内にいなかったり、またいても買い取れるだけの資金を持っていなかったり、廃業は従業員が職を失ったり、長年の関係先に迷惑をかけることにもなり、出来れば避けたい。
そうなれば、M&Aが現実的な手段となってきます。

成長戦略、生き残りを実現する手段

介護業界において地域寡占化はどんどん進み、生き残りをかけて規模の拡大と経営の合理化を進める事業者が増えています。

自社で1から事業所を開設し育てていく間に、競合事業所に市場を奪われかねず、昨今は地域№1化をスピーディーに実現する手段としてM&Aを選択しています。

特にM&Aのヘビーユーザー化といいますか、一度、M&Aを手掛けた企業が、要領をつかんで、その後も矢継ぎ早にM&Aを仕掛ける、そんなケースが増えています。
我々のところにも、「〇〇のエリアの中でM&Aの情報が出たら、すぐに知らせてほしい」というような依頼が多数寄せられます。

異業種からの参入企業が多い

介護業界の特徴として、異業種からの参入企業が多いことが挙げられます。
本業とのシナジーが期待できる建築業界や地域の生活関連事業など、高齢化社会を見据えて、また保険事業の安定性に魅力を感じて、この10年くらいの中で異業種より多く参入してきました。

これら企業は、多角的に事業を展開し、どの事業に投資するか、あるいはどの事業から撤退するか、グループ全体の収益を最大化すべく、合理的な判断のもと経営の舵を切ります。

そのような中、将来の介護報酬削減を見越して、また人材不足がより深刻になることを杞憂して、収益が確保できる今のうちに事業から撤退してしまおうと判断する企業が出てきています。

このように、後継者不在の問題や、生き残るための経営合理化の手段としてや、異業種参入組の合理的な経営判断により、介護事業のM&Aはこれからも増え続けていくものと考えます。

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