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公開日:2018年4月27日

求人サイトに頼らない介護人材採用の新たなチャレンジ~ 日本総合福祉アカデミー代表 藤田達也氏インタビュー~

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介護施設の中に資格学校の分校を作るユニークな事業モデルで注目を集める日本総合福祉アカデミー(本社:東京都渋谷区)が、分校をインフラに総合的な人事コンサルティングを開始しました。介護施設が頭を抱える採用、教育、離職の難問題に、どのようなアプローチを見せるのか、同社の代表取締役、藤田達也氏に話を伺いました。

(聞き手:介護経営編集長 垣内寿友)

藤田 達也

株式会社ガネット(日本総合福祉アカデミー)
代表取締役

1976年生まれ。2000年人材コンサルティング企業へ入社後、2005年取締役営業本部長に就任。同年、関連企業のデジタルコンテンツ企業の代表取締役就任。
2008年株式会社ガネット創業とともに代表取締役に就任。のべ200社の採用コンサルティング業務を経験後、研修ビジネスに着手。2012年10月より介護資格学校ビジネスに参入。2013年7月日本総合福祉アカデミー設立後、関東、関西、東海地区を中心に74校の教室拠点にて事業を拡大中。

ーこの4月には介護報酬の改定があります。御社の主要な顧客である、特別養護老人ホームや住宅型有料老人ホームは、どのような影響を受けるのでしょう?

藤田氏
看取りや褥瘡、認知症対応など、高度かつ専門的な医療技術・知識がより必要となってきて、そこに手厚く介護報酬が割り当てられるようになっています。
特養の場合、基本的に重度な方をまず受け入れて、そうじゃない方はリハビリも含め在宅に、これは明らかに数字としても出ています。一方、有料の場合は、いろいろなサービスをこれまでは全て介護報酬でやっていたものを、ちゃんと切り分けて適正にやっていきましょうというところが見えてきました。
いずれも、これまで介護士が担わなかったところに力を入れていこうという事です。

ー急に医療技術を持てと言われて、施設側は対応できるのでしょうか?

藤田氏
我々が留意しないといけないのは、高度な専門領域を担うのは、ロボットではなく人であるということです。
これまで専門知識を学ぶ場はあまりなくて、あっても社協さんでやられている年に1回の褥瘡セミナーとか。しかも、それを施設が「行ってきなさい」と後押しするとか、そんな制度的なものはなく、「行きたければ、休みを取って自腹で行けば」みたいな状態です。
本人のキャリアプランを後押しするような制度は、残念ながら本当に少ない。
介護報酬改定に対応するには、施設側にキャリアビジョンと専門領域をパッケージにした教育制度が必要になってくるでしょう。

ー専門知識なり技術を積み重ねて行くために、従来のような場当たり的なものではなく、キャリアプランを明確にした上で、計画的に教育を進めて行かないと、今後の施設運営が立ちいかなくなるという事ですね?

藤田氏
国も地域包括ケアを推進していくために、その後押しをしているのは一目瞭然です。
人材育成に予算をかけてでもやらざるを得ない、そういうフェーズになってきていると思うんです。

今の地域包括ケアの考え方、行政、病院、介護施設、人が地域の中で連携しましょうということですが、見ていると「システムで連携する」そんな話ばかりです。
ではシステムで何を連携するのかと言えば、私は知識や技術の継承になってくると思っています。
私は、この継承を分校の中でやれたらいいと思っていますので、地域包括を進めるために、病院が分校を作って、特養はじめ周りの介護施設に開放して、そこで学んだ方々が医療行為や、重度者対応、退院した後もきちんとフォローができる、そういう仕組みを作っていくのがすごく大切だと思っています。

ー一方で、教育する前に人がそもそも居ないという現実があります。そのあたりは、どのようにお考えですか?

藤田氏
採用環境はご承知の通りです。1人を4社で取り合うような状況ですよね。
ですから介護業界から介護業界への転職を見て採用活動している施設は本当にきついです。
というのも他業界との競争に負けていて、例えば名古屋は自動車が好景気ですから、介護施設で働いていた人が高い給与に惹かれて製造業のライン職種に移っていくという話を聞きますから、業界の中だけで人材が流動していては、もう戦えないということが立証されています。
そういう意味では、どういうところから人を取ってくるのか、介護ではない他業界から人が流入する仕組みを作っていかなくてはいけないなと考えています。

ー他業界に採用面で優位に立つという事ですね?

藤田氏
先ほども言いましたが、介護業界にはキャリアプランというものがほとんどない。まずは、入社1年目、3年目はどうで、どうすれば昇進して、管理職になれて、教育担当になれて、といった部分を可視化していくことが必要になってくると思います。

それから、学びの領域をどんどん広げていってあげることです。
職場に学校が併設されていることで、医療や介護の生涯教育の場が得られたり、地域と情報共有や連携が得られたりする。そういうことも大切なのではないでしょうか。

さらに求人サイトに頼らない採用。
これまで介護施設が検討する求人媒体は、およそチラシか、介護系の求人サイト、あってもリクナビネクストや大手の求人媒体です。我々が考えたところでは、そもそもそこでは募集要項を見る絶対数が少ない。
だから我々の分校の考え方を、大手のポータルサイトを使って訴求する広告戦略を始めました。

単に「介護施設で人が足りないです。ニコッと笑って、介護士とかホームヘルパー2級、頑張ります!社会貢献です」というような見せ方では戦えない。施設のよさ、福利厚生面、将来への不安を払拭する、教育制度の充実。そして、それらを見る人のターゲットを絞り込まず、あらゆる人に対して見せて、他業界から引っこ抜いてくるぐらいの戦略をしない限り、何ら解決にはならないなと考えています。

ー御社は、介護施設の人事全般を担ってらっしゃることになりますね。採用から教育にいたるまで。

藤田氏
国や行政が描く地域包括ケアの絵を、教育インフラとしてどういうふうにカスタマイズして地域に落としていくか、そう突き詰めていると今のような形になりました。
本当は行政が多分やるべき事だと思うんですが(笑)
国のビジョンに乗っかることが大切です。そこにどういうふうにすれば乗っかれるのか、我々は提唱していきたいと思っています。

ー医療と介護の連携で言えば、最近は病院で分校を作る動きが増えているとか?

藤田氏
100床前後の地方病院って、すごい経営で苦しんでいらっしゃるんだな、ということが分かってきています。
本来なら内科診療で、入院患者をぐるぐる回し、そこで収益をあげたいいけれど、それが出来ない。高齢者の入院患者が帰ることの出来る、在宅や入居施設が必要なんだけど、その連携を上手くやり切れるところが、ほぼ無いのが実態です。

その辺り、病院が考える経営の方向性と、介護施設が求めている人材教育、我々が提供する分校サービスが完全に一致しているから、受注が増えているのでしょう。

ー今後の分校サービスの展望は?

藤田氏
今、現在分校が74校、この春には100校に到達する予定です。エリアは関東・東海・関西が中心ですが、今後は全国にエリアを拡大していきます。
我々は単なる実務者研修屋さんでなく、高度な知識や技術を持った総合的な教育機関として、地域の中の介護や医療のあらゆる教育ニーズに対応できる分校システムに拡充していきたい。

そのためには、講師の養成も非常に大切となりますが、いま他校さんの講師は基本的には社員、ないしは業務委託で採用して、教育してやっています。
我々の仕組みは、ちょっと違い、分校のある病院や施設の看護師さんや職員さんに講師として登録してもらい、我々のメソッド、カリキュラムを提供し、ノウハウや技術も継承いただいて、講師をどんどん育成していっています。
それをやることで、働き方改革ではないですけど、休みの日には我々の分校で登壇して報酬を得る環境をつくることで副収入が入ることになります。

育児中で現場に出られない。腰痛になって現場は無理がある職員が、こういうことができれば、新たな働きの場を提供することができます。教える立場としての経験は、自身の仕事にプラスアルファの効果を生み出します。
また病院で言えば婦長さんの下、施設なら施設長の次、この中堅層が外部講師のポジションを得れば、本人の動機付けにも、組織のボトムアップにもつながりますね。

ー昨年より各分校にG‐Careネットの導入を開始したと聞きました

藤田氏
G‐Careネットは、日本総合福祉アカデミーが分校システム導入施設に提供する学習プラットフォームです。これでイーラーニングも、動画学習もできるし、色んな使い方ができます。
たとえば新人向けオリエンテーション。映像を流し、イーラーニングでテストをさせるんです。ちゃんと観たか、テストはどうか、全部データが人事へ行く仕組みです。数千人、数万人規模の会社の場合、対面できないし、誰にどんな教育をしたかなんて把握できない。そのあたりの問題を解消しようとしています。
このG‐Care ネットは汎用性をすごく意識をしているので、実務者研修や初任者研修だけではなく、その施設のオリジナル映像までを撮ってアップロードさせ、教えたいことのテストを入れています。

ー私が思うのは、講師の件も、G‐Careネットもそうですけれど、全部会社に残るということですね。外部講師を呼んで研修やって終わりじゃあ、会社に何も残らないし、本当の力がつかない。全部会社に残る、持続的に続けられる、こういうことが非常にいいなと思いますね。

藤田氏
そこ、重要だと思いますし、人事のデータベースの残し方、使い方もすごい重要です。
Aさんがいつ受講し、いつ合格して、そしてその次はどうなったか?Bさんは?Cさんは?それらの履歴の集合体をどういうふうに管理し、教育に活かしていくのか、人事にそこが求めます。
人材のモデル作りですね。このモデルは、本人がキャリアプランを考える時はもとより、採用の場面とか、離職率を下げるとか、昇進のときとか、昇給のときも、全てにおいて必要となってくるでしょう。

我々は、単なる資格学校を運営するということでなく、1社1社の採用から教育までのトータルの人事力を高めるお手伝いをしています。結局のところ、トータルの力を上げていくことで、初めて新たな人材創出が可能になると考えています。

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