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公開日:2018年3月30日

【ケアマネ回顧録7】施設入所に伴うBPSDに対して、小集団活用を導入し生活の安定が図れた事例

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介護経営 編集グループ

BPSD、認知症における行動・心理状況は多様な要因が関連していると言われており、認知症の不安や焦燥感、興奮状態は脳の器質的変化に起因することもあれば、状況を認知できない人間関係・環境の変化による心理・社会的要因によって生じていることもあります。

例えば、夕暮れ時に不安症状が強く表れる夕暮れ症候群に対しては、薬物治療を含め非薬物療法を複合的に用いて介入していく可能性があります。

非薬物療法にある心理社会的アプローチのなかで、認知症高齢者の心理的援助に関してグループ回想法を用いて介入することで、また、さらに音楽療法も用いて大集団と小集団を比較し、その上で小集団でのアプローチの方が有効性がある、という事例もあります。

今回は小集団アプローチが奏功したケースについて、以下に述べていきます。

倫理的配慮:家族・本人に署名で掲載にあたっての了承を得ています。可能なかぎり本人と特定できないように配慮しています。

Aさん80代女性アルツハイマー型認知症

Aさんは80代の女性でアルツハイマー型認知症との診断を受け、施設に入所されていました。

入所当初は1人でうつむいて座っている場面や、廊下に出て不安そうに周囲を確認しながら徘徊される場面が多く見られました。

また、消灯後に居室で荷物をまとめて居室から出て徘徊することがほぼ毎日のように続いていました。

更に日中の徘徊も頻繁であり、現状施設に入居していることを認識できていないとの判断をスタッフ一同で共有化しました。

そのため、日中の過ごし方を考慮し、レクリエーションに誘導するというところから評価を開始しました。

しかしその場面では、目の前にある塗り絵を塗ることが持続できませんでした。

その理由として、好きな作業ではない、関心が低い、難しく感じるなどが考えられました。

周囲にいる他の入居者は塗り絵を行っており、集団の中で孤立しているようにも見えます。

また別な場面では塗り絵ではなく、別の性質を持つ作業であるおしぼりたたみを依頼しましたが、やはりうまくできず、しわを伸ばす行為のみでした。

目の前のおしぼりをたたむという行為を理解することができなかったのです。

通常はここで介護スタッフ側の工夫がなされず、延々と同じ事を繰り返す事の方が多いのですが、この事例ではより詳細に情報共有と評価を繰り返しました。

その結果これらから、工程が単純な作業を提供してみてはとの、介護スタッフのからの意見がありました。

今まで行為中、自分自身で作業をやめることはなく、何とかやり遂げようとしているためで、その姿から、周囲の期待に応えたい気持ちを表現していたのではないのであろうか、または周囲の目が気になって自分だけができないことへのプライドが許せなかったのではないのかと推測されました。

個別評価の場面では、言語のやりとりは可能でしたが、おどおどした様子で質問されたことに返答できず焦った様子を認められ、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール:認知症の検査30点満点、20点以下が認知症と判断されます)では9点でした。

これらの情報を総合し、また職員間で情報の共有連携を行うことでひとつの結論が出ました。

今まで中規模から大規模のレクリエーションに参加してもらっていましたが、小集団での参加を検討することにしました。

理由としては顔なじみをつくることにより、本人に安心感を与える効果があることを期待されたからです。座る位置も固定し、本人が迷わないように配慮し、参加してもらうことになりました。

この方法はAさんについては一定の効果が認められました。

しばらくすると、他の入居者と会話をするようになり、入居当初の暗い顔つきから笑顔もみられるようになりました。そこで昔の写真を見せ回想法を試みたところ、他の入居者と「あのころはどうだった」との意欲的な発言もみられるようになりました。

音楽療法も試みると、自分が知っている曲は「だれだれの曲だね」と発言し、歌詞がわかれば他の入居者とうたってもらえるようにまでなりました。

従前のように大集団でのレクリエーションや作業などを継続しているだけでは決して見られなかった笑顔が見られるようになり、さらに回想法や音楽療法についてもこの小集団の切り替えがなければ効果を発揮しなかったものと推察されます。

当初は集団療法を試みたのですが効果はなく、小集団に切り替えたところうまくいったケースです。ただし、筆者は集団療法否定者ではないので、その個々人の把握をして適材適所をスタッフ間で共有していくことが大切であると感じました。

他職種連携という考え方

このように、一人一人認知症の症状はケースバイケースで異なります。

そのため施設の運用にあっては一人ひとりに合わせてケースバイケースの対応をすることが求められますが、なかなか実態としてはそこまで手が回らないというのが多くの施設が抱える課題ではないでしょうか。

しかしこの辺りについては様々な職種が連携をする、いわゆる多職種連携の考え方をうまく取り入れることにより一定の業務の効率改善や業務の品質改善を望むことができます。

そこで今回は、多職種連携や地域包括ケアに関する教育プログラムの学習用ワークブックをご用意いたしました。

これは日本医師会による作成のもので、地域の診療所や中小病院の看護職員、訪問看護師、ケアマネージャーなどが相互に連携するための在り方について記載しているものです。しかし考え方の概念として施設内での様々な職種が連携するための方法論を学びとっていただくことも十分に可能な設計となっています。

この地域包括ケアと多職種連携のための教育プログラム学習用ワークブックについては、この後お受け取りのページにお進みいただくことで即座にお届けすることが可能となっています。

即座にお受け取りいただけるので、明日からでも施設の方でお使いいただくことが可能です。受け取りはこちらのページからお進みください。

地域包括ケアと多職種連携のための教育プログラム

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