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公開日:2018年3月30日

【MSW講演録】不潔行為の心理的メカニズムと「おむつはずし」の介護負担軽減事例

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介護経営 編集グループ

はじめに

※この記事は認知症を抱える家族に対し、筆者が過去施設内で行った講演内容をテキストとして加筆・修正したものです。

認知症といえば、様々な問題行動という部分が取り上げられることが多々あります。

それが私たち介護に携わるものの、最大の関心事にして永遠の課題の一つであることは言うまでもありません。

今回は、そもそも認知症の症状からくる問題行動というのは、心理的にどのようなプロセスで起こるのか、という部分についてお話をさせていただきたいと思います。

なお今回は、施設入居者のご家族様や、介護職の方各位、そして施設の経営者もしくは経営層の方、入居をご希望されている待機中の方とそのご家族様、また自治体からは各町内会の防犯部長さんなど、様々な方にご理解をいただきやすいよう、あえて概念的な話をさせていただきます。

学術的で、かつ理解が難しいようなお話はありませんので、どうぞご安心いただければと思います。

さてそれでは早速ですが本題である認知症の問題行動はなぜ起こるのかというところからお話をしていきましょう。

そもそも認知症の問題行動は、不快と感じることを本能的に避け、満足を得ようとする欲求「快・不快の原則」からおこるのだと、リハビリテーションの大家である三好春樹先生はおっしゃいます。

今回は三好先生の考え方が私(筆者)と似通っておりますので、三好先生の言葉を引用させてもらいました。

三好先生によると、この原則は基本的に赤ちゃん特有のものです。

お腹がすいたり、おむつが濡れたりして不快と感じると、泣いて親などに世話を求める行為をしますね。

 

しかしこれは、通常は、しつけや道徳教育などを受けるにつれ、周囲に迷惑をかけないように自制心が芽生えてきます。

こうして特段、 問題行動などは起こさないような形で成長していくことになるわけです。

ところが、認知症になると、とっくに卒業したはずの、その赤ちゃん行動に回帰してくるように私(筆者)は考えます。

この辺りについては介護職のプロである方々や、認知症介護のご経験のあるご家族様であれば、頷かれる方も多いのではないでしょうか。

というのも、認知症による問題行動のほとんどが、不快の解消を目的にされているような気がします。

例えば、弄便(便を壁などにこすりつけたりする行動)は一番家族を悩ませる行為の1つかもしれません。

赤ちゃんの場合は、おむつが汚れても手が届かないために泣いて訴えるだけですが、大人の場合、幸か不幸か手が届いてしまいます。

そこでおむつの中にある不快な便を自分の手で取り除けてしまいます。

さらに、手がべたべたして不快だから、壁などで手を拭こうとしてしまうのです。

しかし傍目から見ると、そんなことは全く見えないわけです。

そこにどういった理由や道筋があるのであれ、壁に擦り付けたりする行動というのはどうしても異質にうつってしまい、まあこれは当然の反応ですが、とにかく、ここで大きなショックや負担を感じるご家族様が多いのも実情です。

施設のケースで、お尻の穴に指を入れたりするケースがあります。

これは便秘が気持ち悪く、便を掻き出そうとしているケースが多く見られます。摘便という行為です。

そのため、便秘は認知症の方には諸悪の根源なのです。

だれでも便秘になれば、いらいらしたり、寝つきが悪くなったりするでしょう。

これは認知症の方も同じなのです。便秘による不快感から、さまざまな問題行動を起こしているケースが多いと言っても過言ではないでしょう。

事実、当施設でも便秘が解消されたら、問題行動が半減しました。

 

どうすれば便秘を解消するか?

浣腸や下剤を使用する場合もありますが、それらを投与されること自体が不快なので、よほどひどい症状でない限りは使用を避け、朝食後に必ずトイレに座って踏ん張ってもらうのです。

座って踏ん張ると腹筋が効率よく稼働するだけでなく、肛門が真下になるので重力の法則により便が出やすくなるのです。

排便が習慣化されてくれば、不快が取り除け、弄便もなくなるのです。

しかも踏ん張れば数日おきにしかできなくても尿は確実にでます。

すると3時間くらいはおむつをしないで問題なくなります。

そして頃合いを見て、トイレ誘導していくのです。これを繰り返した結果、尿意が回復し、「おむつ外し」が成功する場合もあるのです。

今全国各地の施設で「おむつ外し」を取り組んでいますが、とてもよい傾向ではないかと思います。 先ほどの三好先生も、このおむつはずしの分野 海やで大変有名な先生でもあられます。

また、おむつは、高齢者が検査のために入院して、おむつをされた次の日に認知症を発症することも多くみられます。

認知症になっても、プライドはしっかり残っています。これまでの社会生活で築かれた僻みや情けないといった感情は、体の芯にしっかり刻まれていると思います。

なので「介護をされるなんて嫌。だれにも迷惑をかけたくない」と思っているのです。そのため介護者は相手に後ろめたさを感じさせないように、十分に心がけなければならないのです。

おむつが外れることは介護労力の軽減にもつながり、おつむ代などの経済的軽減も図れるので非常に有効であり、ぜひ試してもらいたいと思います。

失敗はつきものですが根気よく行っていくことが大切ではないかと思います。

認知症になってもしっかりと残るプライド、そしてその付き合い方を考える

今回は筆者が過去に行った講演を、テキスト版ということで再構成しお送りしてきました。

この中でも触れましたが、認知症の方は認知症になってもしっかりとプライドは残り、また羞恥心というのも残ります。

そしてこの件において介護職員は、様々な部分について配慮を行う必要があります。

しかしなかなかどうして、利用者の方の意に沿わないような運用になってしまったり、時にはボタンの掛け違いから虐待という、絶対にあってはならない事例が発生してしまうことも十分に考えられます。

介護事業者は経営層のみでなく、全ての職員が虐待ということについてしっかりと考えていかなくてはなりません。

この虐待は暴力的な虐待を含め、大変広義の意味での虐待をさします。

そしてこの虐待についてなぜ発生してしまうのか、また、虐待をいかに自分たちの問題ととらえ、どのように防止していくか、というような部分については研修を繰り返し行い、マニュアルを用意するというのが効果的な対策となります。

そこで今回は介護経営編集チームが、実際の現場で見られた内容を分析し、高齢者の虐待の事案の防止に関する「虐待防止マニュアル」というものを作成いたしました。

こちらは介護施設に見られがちな「派閥」などについても触れた実用性の高い内容となっており、虐待を行ってはならないという禁止行為をまとめたようなものではなく、さらに1歩2歩踏み込んで、より高い次元で虐待を防止するための内容が盛り込まれています。

こちらのマニュアルについては今すぐにお手元にお届けすることが可能です。

お受け取りのページにお進みいただき、そこでお名前などをいただくことで即座にこのマニュアルをダウンロードしていただくことが可能となっています。

お受け取りのページへはこちらからお進みください。

介護施設の実用的虐待防止マニュアル

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