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公開日:2018年3月26日

生活習慣と環境面から考察する、施設での転倒事故発生リスク

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介護経営 編集グループ

当サイトの別の記事で、高齢者の施設利用時における転倒事故は防げるものと防ぐことが難しいものの、2種類があるという解説を以前しました。

そしてこのリスクについては、転倒した場所や時間帯、転倒した高齢者の方の様々な症状を分析すると、どのようなリスクがあるかについて見えてくるところですが、その中の一つに生活習慣と環境面で考えられる転倒リスクというものがあります。

今回は別の記事と連動する形で、生活習慣と環境面でのリスクがどのような形で転倒事故につながっていくのか、そしてそのリスクを排除することの是非にも触れながら解説をしていきます。

生活習慣と環境面でのリスク

・日常生活の過ごし方

活動性が高い場合に転倒しやすいことも事実ですが、将来的に見ると活動量の低い入所者さんだと足の筋力が落ちて転倒のリスクが増えることもありますので、注意深くアセスメントする必要があります。

活動性が高いと転倒しやすいということから、本質的に活動量の高い入所者さんの行動や活動を制限してしまうというのは無論考えものです。

時間帯などをある程度をこちらでコントロールするということは業務上必要なことと思いますが、常時安全対策という免罪符のもとにこういった入所者さんの行動や活動量を制限してしまうというのは本末転倒になってしまいます。

日常生活で、足の筋力が落ちてしまわないように様々なレクリエーションやリハビリなどを含め、先ほども述べた通り独り一人注意深くアセスメントしていく必要があります。

・服装・履物

身体の動きを妨げる服装やフィットしていない靴も転倒の原因となります。ズボンが長すぎれば裾を踏んでしまい転倒しますし、靴をきちんとはかずに踵を踏んでいていわゆるスリッパ状態でも転倒してしまします。これは、きちんとした服装と靴を選択することで『防げる転倒』になります。

特に何年も服装や履物を変えていない、という方についてはこれを機にご家族様などにお願いして服装や靴を、きちんとサイズがフィットしたものを選びなおしていただくようにお願いをするという誘導も必要になります。

特に認知症の方の場合は、こういった服装や靴、その他身の回りの事に関して無関心または無頓着になる傾向が多分に見られますので、入居時に一度確認を行うなど、ひと工夫が防げる検討の一助となることを忘れてはなりません。

・環境-床

滑りやすくなっているのは当然リスクが高くなります。

段差斜面なども危険です。施設はフラットだからといっても安心はできないのです。

躓く危険性もあるのです。

様々な理由から絨毯敷きにすることが難しく、フローリングのみの運用になっている施設も多々あるかと思います。

このフローリングというのは靴下などを履いていると、我々若い者でも、多分に滑りやすいということはよくお分かりかと思います。

施設内でスリッパなどを利用している場合には、このスリッパの底面の素材なども十分に検討し、出来る限り転倒リスクについては、軽減するように働きかけを行いたいところです。

また床材そのものの変更がなくても、スリッパの底面の素材の変更など、低価格で、そして大々的な手間をかけることなく実施できる対策も多々ありますので、この辺りについては経営者側と、熟練の介護スタッフの打ち合わせや意見のすり合わせによって様々なオリジナリティ溢れる、対策を作り上げることができるのではないでしょうか。

そしてこういったオリジナリティ溢れる対策やリスク回避の工夫については、利用者さんの転倒事故防止の観点から見ても、良好です。

新規に利用を検討している入居者様のご家族様の目から見ても、大変安全対策が行き届いている工夫あふれる施設だと感じていただくことができるなど、一石二鳥の効果もあります。

・環境-照明

暗すぎる、まぶしすぎるなど、一気に景色が変わると視神経が対処においつかないので転倒の原因になりやすいのです。

これは施設側で工夫をする対策を立てれば『防げる転倒』になります。

よく夜間の、センサーライトなどを導入している施設もあるかと思いますが、このセンサーライトは直接に点灯すると、いきなり眩しすぎる刺激となってしまい場合によってはそれが直接の原因になり、転倒となることも十分に考えられます。

とにかく暗すぎるもしくは眩しすぎるなど、一気に景色が変わるような環境になっていないかどうか、今一度施設の総点検を行うというのも、防げる事故もしくは防げる転倒の、有効な対策の一つです。

※また、リスクをすべて排除することが必ずしも良いことではない、という向きもあるかと思います。それはおっしゃる通りです。リスクをすべて排除してしまうことが必ずしも良いことではない、というのも私たちは肝に銘じておかなければなりません。

しかし高齢者が集まる施設で、私たちはその高齢者の方々をお預かりしている立場となります。
施設運営や安全管理安全対策の面からは、十分な配慮はやはり必要になるのです。

安全対策が大きな集客効果を生む

以上のように転倒は『防ぐべき事故』と『防げない事故』があることを説明してきました。『防ぐべき事故』は介護のプロとして当然防ぐ必要があります。

そのために入所さん1人1人の身体状況などを配慮し対応をする必要があります。

転倒は100%防ぐことは困難であると前述しましたが、『防ぐべき事故』をきちんと対処すれば防ぐことは可能です。「あそこは転倒の多い施設」だからとレッテルは張られたくないですもんね。

実際に利用者さんのご家族様から伺った話ですが、送迎車の乗降や施設の見学などの際に転倒などが見られたりすると、「あそこは転倒の多い施設」だというレッテルが貼られ、地域の方々にその情報が疾風迅雷の如く、響き渡ってしまうケースもあるということでした。

こうなるとケアマネージャーさんやメディカルソーシャルワーカーさんなど、いわゆる施設を紹介する側の方としてもその施設を紹介することが難しくなってしまう(憚られる)ことも考えられますので、この辺りの対策についてはきちんとしておかなくてはなりません。

『防げない事故』は確かにそうなのですが、事前に環境を整えたり、入所さんの身体面・精神面をアセスメントできれば『防げる転倒』も増えてくると思います。

転倒は100%の防止はできませんが、介護力で限りなく転倒のリスクを回避はできるのです。介護職はプロですので、きちんと対処すればそうなることを筆者は信じています。

介護事故の防止は日頃の意識から

またこれらの転倒事故については介護事故の中の一つの項目と捉えることができます。

それはすなわち、転倒事故以外にも介護施設においては様々な事故の発生について留意し、そして対策を取る義務があるということです。

各施設でこういったマニュアルについては整備、もしくは配布されていることでしょう。

しかしそのマニュアル、毎日読み返しますでしょうか?

きっとそうではないと思います。

こういった事故防止に関するマニュアルの本質は情報の供給と反復の学習、そして絶えず頭の中に事故防止に関する意識を置いていてもらうということにあります。

そこで、介護経営編集グループでは、今すぐお手元に届き印刷することが可能で、さらに明日からでも施設に設置することができるような、介護事故防止の重要なポイントを厳選して記載した介護事故防止マニュアルというものを作成配布しています。

こちらは無料で今すぐに受け取ることができるようになっていますので、今回の記事をご覧になりましたら、こちらの方からお受け取り手続きにお進みください。

介護事故防止マニュアル

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