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公開日:2018年3月2日

【介護ビジネス開業の基礎知識3】 介護ビジネスの開業方法とは?

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大浦里穂(ライター・翻訳者)

本気で介護ビジネスを開業するなら

介護事業は特殊な業界と思われがちですが、ビジネスの基本は他業種と同じです。介護ビジネスを開業しよう!と決意したら、「顧客は誰を対象とするのか?」「何の商品・サービスを提供するのか?」「顧客のニーズはどこにあるのか?」という3つのポイントを分析し、計画を練りましょう。

まず1つめのポイント「顧客は誰を対象とするのか?」について。介護ビジネスは、基本的には「介護を必要とする人」に商品・サービスを提供する仕事です。すなわち、介護ビジネスの顧客対象は、要介護者・要支援者(介護は必要としないが、生活の維持に適切な支援を必要とする人)です。より対象を広げれば、要介護となる予備軍(介護予防に取り組む人)も対象に含まれるでしょう。

次に2つめのポイント「何の商品・サービスを提供するのか?」を見ていきます。前回もご紹介した通り、介護サービスは以下の3分野に分かれています。(各サービス内容の詳細は、前回記事をご参照下さい)

(1) 介護保険サービス
(2) 介護保険適用外のサービス
(3) その他の介護関連サービス

3つめのポイント「顧客のニーズはどこにあるのか?」について。介護ビジネスの顧客とはサービスの利用者のことです。顧客の介護状況は日々変化しているので、多様なニーズへの素早い対応が求められます。サービスを提供できる時間帯や、ケアの質も重要です。介護サービスは生活と結びついており、顧客ごとにニーズが異なります。個別の要望に対応するには、顧客とサービスの適切なマッチングが必須です。

それでは、介護事業の始め方や、開業までの具体的な手順をご説明しましょう。

介護ビジネスの始め方:異業種参入のポイントは?

介護ビジネスは、情報化と高齢化という大きな社会の変化にともない、介護分野とは異なる業種からの参入も増えてきています。活発化する異業種参入の実態は、次の2つの方式に大きく分けられます。

(1) 自社で新たに事業展開する方式
(2) 既存の業者と提携、または買収する方式

(1)の方式で参入する場合、実務や経営の経験が豊かで、すでに何らかの事業で成功している方も多いかもしれません。介護経営においては、先行のビジネスモデルに従って起業するとしても、以下の2点が重要ポイントです。

介護事業を始めるにあたり、事業内容と事業目的を新たに設定しましょう。介護サービスは、利益優先だけでは継続しづらい分野です。なぜ異業種から介護に参入するのか、介護事業を通してどんな価値を創造していくか、検討を重ねるとよいでしょう。

また、介護事業の実態はローカルビジネスであることが多く、地域性に大きく影響されます。異業種で知名度やブランド力が高くても、地域密着型の経営と、利用者に対する堅実な姿勢が、事業を成功させる鍵になるはずです。

介護ビジネスの始め方:事業承継をする場合は?

介護経営を始める際は、既存のビジネスモデルを参考に新サービスを立ち上げたり、フランチャイズに加盟する方法があります。その他に、事業承継を受けるという形も考えられます。

事業承継とは、後継者として会社の事業を引き継ぐことです。主に3つのパターンがあります。

(1) 親族が承継する

親族より事業を引き継ぐ場合、OJT(現場研修)の形で事業を学びながら、経営力を身につけられるのが強みです。介護ビジネスに対する適性や能力の有無も、現場の仕事を通して事前に確認することができます。重要なポイントは、介護の仕事内容や事業の理念に共感して取り組めるかどうかです。

(2) 従業員が承継する

同じ事業所の従業員が引き継ぐ場合、すでに現場での実務経験があり、事業内容も理念も深く理解しているというメリットがあります。経営力と資金調達力があるかどうかの2点が、要注意ポイントです。

(3) 買収して承継する(M&A)

第三者が事業を買収する形で引き継ぐ場合、介護事業専門のM&A仲介業者を活用するとよいでしょう。譲渡希望者と買収希望者をマッチングして、譲渡側は財務状況や資産の評価を受け、買収側は事業強化や生産性向上などに結びつくかを検討します。お互いが合意すれば事業承継が可能になります。

フランチャイズ型で開業するメリットは?

介護ビジネスの開業を考える中で、フランチャイズへの加盟を真剣に検討している方も多いのではないでしょうか。介護事業は未経験という場合、フランチャイズ型での開業には次のメリットがあります。

メリットその1は、事業参入のハードルが低くなることです。加盟金を払えば、すでに成功しているビジネスモデルや、フランチャイズ本部で蓄積されたノウハウが提供されるので、早期に経営が安定することも期待できます。

メリットその2は、大手フランチャイズのブランド力です。知名度や信頼感が確立されているため、広報や営業の面でコストが抑えられるでしょう。

開業したい事業内容に合ったフランチャイズを選ぶためにも、実際に加盟する前に、各社の募集要項を比較検討することが重要です。

また、フランチャイズへの加盟にはそれなりの費用がかかります。介護業界の知識や経験がある開業希望者は、自力でビジネスを立ち上げる選択肢もあることを覚えておくと良いでしょう。

介護ビジネス開業までの一般的な流れ

開業したいと考えている介護事業が、介護保険の適用サービスであっても、介護保険外サービスであっても、起業することに変わりはありません。しかし、介護保険サービスには、事業を始めるための各種要件が設定されています。

個人事業主として自由に介護保険外サービスを開業したい!と考えている方も、介護保険サービスの特徴を理解しておいて損はないでしょう。以下に、介護事業所を開業するまでの一般的な流れをご説明します。

まずは、開業したい分野のマーケティングをして、どこで・どんなサービスを提供するかを絞り込みます。それが介護保険サービスであれば、法人設立と、指定事業所の申請が必要となります。

指定基準を確認したり、役所に相談する作業と平行して、物件の選定・整備や人材確保も進めていきます。申請書類の作成・提出をおこない、申請待ちの期間を営業活動や事業所の準備にあてます。指定事業者として認可を受けることができたら、サービスの提供を開始します。

介護保険外サービスの場合、法人設立や指定事業所の申請は必要ありませんが、開業届を保健所や税務署に提出します。資金調達や人材確保など、大まかな開業までの流れは、介護保険サービスと同じです。

介護保険の指定事業者とは?

介護保険サービスの開業は、指定事業者に限られています。介護事業は、寝たきりや認知症など、症状の重い高齢者を対象とするため、安全性が求められます。また、サービスの質・内容に偏りが出ることも望ましくありません。そのため、介護保険サービスは、誰でも自由に提供できるものではなく、現状では指定を受けて開業することになります。

介護保険サービスの指定事業者には、次の5種類があります。

(1) 指定居宅サービス事業者
(2) 指定居宅介護支援事業者
(3) 指定介護保険施設
(4) 地域密着型サービス
(5) 定額パッケージで提供する複合的なサービス

指定を受けるには、都道府県に申請して認可を得る必要があります。ただし、(4)の地域密着型サービスは、申請先の自治体が市町村になる場合があります。

指定を受けるための基準について

指定事業者となるには、各サービスごとに条件が異なります。とはいえ、どのサービスでも共通する条件もあります。指定を受けるための主な基準は、次の4つです。

(1) サービスに必要な人員を確保し、人員基準を満たす
(2) サービスの運営規定を満たす
(3) 各サービスの設備基準・施設基準を満たす
(4) 苦情処理の基準を満たす

1つの事業所で複数のサービスを提供したい場合、各サービスごとに基準を満たす必要があります。または、同一のサービスを複数の事業所で提供したい場合も、各事業所ごとに基準を満たして指定を受けなくてはなりません。

注意しておきたいのは、指定認可を受けて事業を始めても、苦情対応がなされていない場合や、指定基準を満たせなくなった場合、「指定取り消し」があるということです。指定基準に違反した場合は処罰対象となります。

介護ビジネス開業の手順:法人を設立するには?

介護保険サービスの指定事業者になるには、まず法人を設立します。(原則として、個人事業主は認可を受けられません)

法人には「株式会社」「社会福祉法人」「医療法人」「NPO法人」などの形態があります。それぞれの法人には違いがあり、必要な人員や職種などの設立要件も異なります。

例として、株式会社の設立についてご紹介します。

・資本金は0円から設立可
・取締役1名から設立可
・商号は、同じ自治体の中で同一・類似の商号が使用可

株式会社は、必要書類(代表取締役の印鑑、公証人役場で認証された定款など)を提出し、法務局に登記することで設立できます。銀行口座の開設、税務署への届け出も必要となります。期間は2週間程度かかるでしょう。

また、NPO法人には以下の特徴があります。収益を目的とする組織ではない点を理解しておくとよいでしょう。申請してから設立までの期間は、長くて半年ほどかかります。

・社会貢献活動をおこなう非営利組織
・特定非営利活動促進法に基づく該当分野に限られる
・社員10名以上、監事1名以上、理事3名以上などの人員要件あり

介護ビジネス開業の手順:資金を調達するには?

介護サービスの開業には諸費用がかかります。事業所の物件の賃貸料や、人件費、広告費、備品を揃えるための諸経費など、開業資金はどう準備すればいいでしょうか?

自己資金はもちろん大切ですが、資金調達には、自治体から公的な助成金を受けたり、銀行から融資を受ける方法もあります。その際、事業計画書と収支計画書の提出が求められます。株式会社の場合は、小規模な事業から始まる介護サービスも多いかもしれません。開業後3年分の貸借対照表(バランスシート)と損益計算書を、あらかじめ試算しておくとよいでしょう。

貸借対照表では、資金の調達状況と運用状況を管理します。損益計算書は、収益と批評と利益で構成され、経営成績を示すものです。

低投資・低リスクで介護ビジネスを開業するには

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