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公開日:2018年3月1日

高次脳機能障害を理解するために

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介護経営 編集グループ

現在、高次脳機能障害の定義は統一されていません。病名すらわからない方もいるでしょう。しかし、高次脳機能障害が阻害要因になっている人々がたくさんいるのは事実であります。

医学的には高次脳機能障害というものは脳が傷ついたり(器質的損傷)、働きにくくなったり(機能不全)したことにともなうすべての認識や行動の障害をさします。

失語と言われる(リンゴと脳が認識していても、リンゴとは答えることができない等)言語の理解や表出の障害も高次脳機能障害ですし、認知症や発達障害、精神疾患に見られる認識や行動も高次脳機能障害ととらえられます。

しかし、国の疾患分類には失語は身体障害とされていますし、認知症や発達障害および精神疾患によるものは、診断基準では高次脳機能障害とはされていないのです。

これには歴史的な経緯があり、医療の進歩にともなって脳外傷などによる特徴的などによる高次脳機能障害の若年者が増加してきたこと、その人々の支援について社会的な要請が高まってきたことが背景にあります。
(コロポックルの会などの当事者の会が全国的にあります)

1997年(平成9年)年に発足した先ほど述べたコロポックルの会(家族会)高次脳機能障害支援モデル事業が開始されました。

モデル事業をへて、既存の支援システムに組み込まれていない高次脳機能障害のある人への支援を目的として2004年(平成16年)に厚労省によって診断基準が定義されたことにより、診療報酬請求や障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの申請の根拠とされるようになったのです。

つい15年前です。それまでは身体的には自立していたので差別の対象でもありました。今は障害年金や身体障碍者手帳、精神保健福祉手帳などの対象とされるようになりました。

このような経緯から、厚労省の「診断基準」による高次脳機能障害は、脳外傷のあとに日常生活や社会生活に制約を受けている一群の特徴にそって定義されており、記憶障害・注意障害・遂行機能障害社会的行動障害が日常生活や社会生活の制約の原因の主であるものとされました。

加えて、脳の器質的病変の存在とその原因となる事故や疾病の事実が確認されていることが条件となっています。医学的には同じく高次の認識の障害ですが、失語は身体障害として福祉サービスの対象になっている点から、発達障害や認知症などはそれぞれ別の支援体制が組まれているので除外されています。

補足ですが、障害年金の対象となりましたが、10年まえまでは脳の疾患から高次脳機能障害と診断されても、年金の診断書は精神科の医師しか書けませんでした。

そのため高次脳機能障害でしか年金の支給対象にならない場合は精神科に紹介してもらい受診し、診断書を記載してもらう必要がありました。

現在は脳神経外科の医師でも記載できるようになりました。これは非常にありがたいことで家族的にも経済的にも負担が軽減したことは喜ばしいことです。

脳外傷の後には、不安や抑うつ、幻覚・妄想などの精神症状が出現し生活を阻害する因子になっている場合もあり、医師によっては診断に違いが出てくる場合もでてきます。

しかし、支援にあたっては、診断がどのようなものであっても、認知機能や心理状態、身体機能、社会的背景などを適切に評価して行動や生活機能の関連を分析すること、そして生活上の課題はなにかを明らかにすることが出発点であることには違いはありません。

高次脳機能障害になりうる原因は?

では高次脳機能障害の原因はなにか?いくつかあります。

1.脳血管障害…脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などでは、脳組織への血液循環が途絶えたり、脳組織内に出血が起きたりして脳組織が損傷を受ける場合。

2.脳外傷…交通機事故や転倒などで脳に様々なダメージを及ぼす場合。

3.低酸素脳症…心筋梗塞や不整脈などによる一時的な心停止や、一酸化炭素中毒などのために脳に酸素がいきわたらなくなりびまん性の脳損傷が起こる場合。

4.脳炎・脳症など…ウィルスや細菌などによる脳の感染症、栄養障害や自己抗体など様々な脳組織の変化(脳症)も高次脳機能障害の要因となる場合があります。

高次脳機能障害の症状としては、

1. 注意障害
2. 記憶障害
3. 遂行機能障害
4. 神経疲労
5. 社会的行動障害
6. 半側空間無視
7. 失認
8. 失語
9. 失行
10. 病識の低下

などが挙げられます。

これが身体的には問題がないようにみえてもこれだけの内因障害が出現してくるのです。

そのため、学校や社会復帰してもうまくいかない場合が多くみられ、差別をうけることもあります。これが高次脳機能障害の恐ろしいところです。

そのため、我々はまず高次脳機能障害の理解をする必要があるのです。中には社会復帰できない方もいます。

若い場合は介護保険のサービスを利用ができますが、援助者としては判断に苦しみます。

軽度の高次脳機能障害では社会復帰できたとしても以前のように働けるとは限りません。その際は部署移動や仕事量を調節してもらう必要もあります。職場の理解が重要なのです。

職場復帰が難しいようであれば、経済的には障害年金の受給を検討してみたり、就労支援サービスを受けることで単純作業に従事し、自分のペースで働き、収入はわずかながら収入を得る喜びを感じるというのも選択肢の一つです。

(就労継続Aは雇用契約書を結んで最低賃金が保障されます。就労継続Bは雇用契約ではないので時給100円~200円程度です)就労継続から就労移行支援に移行し、一般企業に就職できることも可能なので、焦らずゆっくりと進むことが大切だと思います。

焦りが生じるとまた精神症状などの弊害がでてしまう可能性があるので慎重に事を進めていくことが重要なのです。

今は昔と違い高次脳機能障害の理解も得ることができきるようになってきました。就労継続事業所も増えてきています。

まずはそこで自分なりのリズムを作り、就職につなげることもいいと思われます。

事業所が増えたということは相談機関も増えてことになります。相談しながら進めることが大事です。

高次脳機能障害に起因する介護事故を防止するには?

高次脳機能障害の患者さんを受け入れている施設の場合は、認知症の介護事故防止のみならず介護事故全般について包括的に知識を持って防止しなければなりません。

また高次脳機能障害は認知症とは大きく異なりますので、より深い情報を学習した上で事故防止などに広く利用できるようにしておかなければなりません。

かといって、事業所で新たにこう言った介護事故防止の包括的なマニュアルを作成するというのも時間がかかるもの。

そこでまずは弊社がご用意した介護事故防止マニュアルの導入はいかがでしょうか?

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