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公開日:2017年7月1日

児童発達支援事業―増加する発達障害児

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介護経営 編集グループ

発達障害者支援法によると発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。※1)

発達障害の歴史的背景

1943年に、アメリカのレオ・カーナーによって早期児童自閉症が発見されたのが始まりといわれています。日本においても1970年代ごろから自閉症と診断される子供たちがあらわれ始めましたが、知的障害を伴う症状がメインであり、現在の発達障害の概念とは異なるものでした。その後「自閉症」という言葉は一般にも広がりましたが、疾患というよりも「こころを閉ざす」「内にこもる」など、パーソナルな部分が強調されていました。

知的障害のない発達障害が確認されたのは1980年代のことで、1990年代には自閉症や学習障害児を支援する体制が海外で見られ始めましたが、日本ではまだ一般には浸透していませんでした。

日本で発達障害が注目されたのは、1990年代中ごろからです。この時代は「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る少年が犯罪を起こし、診断の結果、ADHDであることが分かりました。1997年にも凶悪事件を起こした少年が発達障害と診断され、「発達障害」が広く認知され、早期の治療が求められるようになりました。

2005年には発達障害者自立法が制定。LD、ADHD、アスペルガー症候群が障害として定義されたほか、2007年には、障害児教育を一本化した「特別支援教育」がスタート。2012年4月に児童福祉法の改正により、「児童発達支援事業」が創設。サービスの一元化により、幅広く利用することができるようになりました。※2)

増加する発達障害児

文部科学省は、毎年公立小学校、中学校、義務教育学校及び中等教育学校の前期課程を対象として「通級による指導実施状況調査」を行っています。自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する児童生徒数は、平成19年度以降、毎年増加傾向にあります。

通級による指導を受けている児童生徒数の推移

出典:通級による指導実施状況調査結果を参考に作図
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afield file/2017/04/07/1383567_03.pdf

過去3年間で、児童生徒数は17.4%増加、前年度と比較して各障害種で増加しており、注意欠陥多動性障害(ADHD)2,313名、学習障害(LD)1,388名、自閉症1,709名、情緒障害1,201名が、それぞれ増加しています。※3)

指導時間別児童生徒数

「通級による指導」とは、障害のある児童・生徒が小・中学校の通常学級に在籍しながら、個々の特性に合わせた個別指導を受けることです。平成28年度の発達障害の指導時間別児童生徒数は下記の通りです。

≪小学校≫

月1単位時間未満 月1単位時間 月2~3単位時間 週1単位時間 週2単位時間 週3単位時間 週4単位時間
自閉症 6,898 4,254 996 991
情緒障害 3,318 4,122 575 1,040
学習障害 11 84 408 5,356 3,807 916 347
注意欠陥多動性障害 7 204 868 6,832 4,568 931 781
週5単位時間 週6単位時間 週7単位時間 週8単位時間 週9単位時間以上 合計
自閉症 279 79 12 36 6 13,551
情緒障害 449 207 13 55 4 9,783
学習障害 534 62 27 79 5 11,636
注意欠陥多動性障害 300 65 14 48 7 14,625

≪中学校≫

月1単位時間未満 月1単位時間 月2~3単位時間 週1単位時間 週2単位時間 週3単位時間 週4単位時間
自閉症 1,113 593 129 132
情緒障害 538 461 116 130
学習障害 10 68 124 1,211 943 198 177
注意欠陥多動性障害 18 75 142 754 765 179 129
週5単位時間 週6単位時間 週7単位時間 週8単位時間 週9単位時間以上 合計
自閉症 154 130 4 68 2 2,325
情緒障害 305 300 18 130 43 2,041
学習障害 59 43 26 41 7 2,907
注意欠陥多動性障害 100 80 14 35 0 2,261

出典:通級による指導実施状況調査結果を参考に作図
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afield file/2017/04/07/1383567_03.pdf

発達障害児増加の理由

2012年に文部科学省が全国の小中学校で、約5万人を対象にした調査によると、「発達障害の可能性がある」と思われる児童・生徒は全体の約6.5%に及ぶと報告されています。ただし、この調査は通常学級に通う児童・生徒を対象としており、特別支援学校や障害者施設を利用している児童・生徒や、障害に気づかれていない予備軍も含めると、かなりの人数にのぼると思われます。発達障害の増加理由として、次の要因が考えられます。※4)

・発達障害の存在が広く知られるようになった
発達障害が一般に認識されたことが要因の一つです。これまで「ちょっと変わった子」とみられていたものが、親や教員が早期に発達障害に気づくことができるようになりました。

 

・医師が診断しやすくなった
研究が進んだことにより、これまでに比べて「発達障害」と判断する基準が多くなったことにより、患者と認定される人が増加したことが考えられます。

 

・外的要因の増加
発達障害は、遺伝的原因と環境的原因によって発生すると考えられています。近年の研究により、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などが遺伝子に関わっていることが分かってきました。単一の遺伝子ではなく、多くの遺伝子が関わって発生するようです。

 

環境的原因としては、腸内環境悪化、有害物質蓄積、母体の胎内環境悪化など、様々な要因が考えられます。これらがどう影響しているのか不明な点が多いですが、これからの研究によって解明されていくことでしょう。

出典

1)発達障害者支援法
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/001.htm
2)汎用性発達障害
http://pdd.myumic.com/広汎性発達障害/発達障害概念の歴史.html
3)通級による指導実施状況調査結果
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afield file/2017/04/07/1383567_03.pdf
4)日本発達障害支援協会
http://humane-place.org/genin

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