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公開日:2019年1月9日

社会福祉士の活躍の場はオールラウンド「社会福祉士会入会のメリット」

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吉田 匡和(介護ライター)

社会福祉士は、高齢者や身体に障害がある方などの相談業務や社会的支援を行う国家資格です。約20万人以上が登録し、行政機関や民間企業等で幅広く活躍しています。その職能団体として組織されているのが「社会福祉士会」です。その活動について「北海道社会福祉士会」の神内秀之介副会長に伺いました。



社会福祉士会の沿革


社会福祉士会は、全国組織である「公益法人 社会福祉士会」のほかに、都道府県ごとに社会福祉士会が組織されています。社会福祉士は1987年5月に「社会福祉士及び介護福祉士法」が公布されて、翌年3月に第1回社会福祉士国家試験が実施されました。

1993年1月に任意団体として日本社会福祉士会を東京都に設立。翌年12月に全都道府県に支部が設置されました。現在、全国47都道府県に社会福祉士会があり、約3万7千人が会員になっています。北海道社会福祉士会は、現在約1800名の会員で組織され、道内7つの支部が設立されています。



社会福祉士の業務


主たる事業として、権利擁護センターぱあとなあ事業において、判断能力が不十分な人たちが安心して暮らすことができるよう、成年後見制度の広報普及活動の他、利用に関する相談から成年後見人等の紹介、受任、受任後の支援まで、一貫した支援を行っています。また、スキルアップのために、高齢者や障害者、児童など種別に応じた研修会やセミナーも随時行っています。

2012 年4月の「社会福祉士及び介護福祉士法」改正により社会福祉士養成カリキュラムが改訂され、相談援助実習を行う実習指導者の要件として、 実習指導者を養成するための講習会の受講が義務付けられました。北海道社会福祉会では「社会福祉士実習指導者講習会」を開講し、人材の育成に力を入れています。

今年は職能団体として、2018年9月6日に起きた「北海道胆振東部地震」で初動活動が行われました。神内副会長は、「被災地となった厚真町に社会福祉士を派遣し、別荘が多いウラル地区において町や社会福祉協議体に繋げるなど、住民自治の支援を行えたことは大きな成果の一つ」と語ります。それぞれに職務を持ちながら、社会福祉士会の業務を行ってもらうため、職場の理解が不可欠と言います。



社会福祉士会の現状と課題


全国に約20万人もの社会福祉士がいるにも関わらず、各都道府県社会福祉士会に入会しているのは、わずか3万7千人、加入率は16%と物足りない状況です。北海道には約9千人が社会福祉士として登録していますが、会員数は1700人となり偶然にも加入率16%と全国と同じレベルです。会員数が伸びない理由について、「年会費が高い(道社会福祉士会は1万5千円)」、「社会福祉士としての活動が面倒」などの意見が聞かれますが、神内副会長は、「自己研鑽では担保できないスキルが、社会福祉士会で得られる」と強調します。

「自己研鑽することは大切ですが、きちんとエビデンスに基づいていなければなりません。社会福祉士会に入会することで正しい情報を得ることができますし、分科会などで他の人と交流をしたりディスカッションすることで、新しい知識を得たり、自分の考え方に気づくことができます」と、入会のメリットを示唆します。

その一方で、不十分な面があることも反省。「会員を守るために損害保険を見直すとか、業務上の失敗に対するバックアップや相談体制を整えるなど、職能団体に所属することのメリットを発信していかなければならないと考えています」と述べました。社会福祉士の80%以上が非会員である現実を受け止め、登録することで非会員の方も会員と同等の情報が得られる試みが行われています。



社会福祉士会はオールラウンドな活躍を後押しする


社会福祉士の業務はドメスティックな傾向にあります。例えば高齢者施設に勤務している社会福祉士は、児童や障害者など他の領域とかかわることがありません。これまでそれを「専門領域」と呼んでいましたが、地域共生の時代を迎え、その概念が変わりつつあります。地域には、高齢者や障害者、児童などが混在していることから、ひとつの領域に精通しているよりも、社会全体をとらえることができるジェネラリスト型の社会福祉士が求められていると言います。

近年では独立型社会福祉士事務所の会員が増えており、地域の相談を受けたり、成年後見制度や利用促進制度について行政とかかわりながら支援していくなど、地域とかかわるケースが増えているようです。また地域共生の中で住民が自ら課題を発見し、それを解決する能力が求められることから、「誰もがソーシャルワーカーであるべき」と言われています。それに埋もれてしまわない専門性を発揮することが、今後の社会福祉士にとって必要と言えるでしょう。

職場環境の中だけで、他の領域の知識を担保することは困難ですが、社会福祉士会にはさまざまな領域の会員がいるため、さまざまな知識を得ることができます。介護支援専門員、精神保健福祉士など、相談援助職が多様化する中で、オールラウンドに活躍できるのが社会福祉士の強みです。社会福祉士会に入会して多様な専門性を高め、社会福祉士としての立ち位置を確立してください。


■著者■ 
吉田 匡和
介護ライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。
HP:https://buleorca.webnode.jp/

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