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公開日:2018年10月11日

災害頻発!通勤困難・早帰り時の賃金の払い方

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福田 秀樹(特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

地震や台風が経営に影響を与えること多くなってきました。
社員の立場からしたら、「私たちのせいで休業、遅刻又は早退となったわけではない。だから、勤務を欠いたとしても給与を支給するべきだ」というものです。
一方、会社の立場からしたら、「災害は会社のせいでもない。たまには良かったが、こんなに頻繁に災害で仕事にならないとなれば、給与を払うことは違和感がある」というものです。





法律的には”会社のせい”で”就労不能”の場合は、会社は平均賃金の6割以上は保証する義務があります(故意又は過失又は信義則上、これと同視し得る場合は賃金の全額を払う義務があります)


この”会社のせい”と”就労不能”というのが論点となるわけです。



Q1 災害により出社困難となった場合、会社の給与の取り扱いはどうなるか?

台風によりJR・私鉄を含め早朝から運行停止になったというのをイメージしてください。この事態は”会社のせい”ではないので、会社は賃金支払い義務を負いません。

よく「私は徒歩なので出社できる」「車通勤なので就労できる」として一部の社員が出社可能であることがあります。しかし、ほとんどの社員が出勤できない場合、製造業などはそもそも正常な業務遂行ができないことが大半です。ですから、この場合は全社又は部門単位で休業となれば給与カットになりえます。



Q2 夕方には交通機関がストップする。帰宅困難となる前に早退させた。給与の取り扱いはどうなるか?

この場合、法律的には帰宅が困難になるだけで、特に室内や台風等が来ない間は業務に支障はないでしょと考えます。
もちろん、私たちは業務に支障のない段階で、帰宅困難又は帰宅時の安全を見越して、「今日は〇時には帰ってください」と指示を出すわけですが、法的にはそれは会社の指示(会社のせい)とみます。つまり、賃金支払い義務を負うことになります。ただし、全く故意や過失による会社のせいと言えないのですから、その日について平均賃金の6割以上が確保できていれば賃金をカットしてもいいのではないか、というのが私個人の見解です。
たとえば、所定労働時間が1日8時間 始業8:30 終業17:30 の会社があったとします。JR・私鉄が17時以降は運休停止と見込まれました。やむを得ず、14時30分に帰社の指示を出しました。この場合、14時30分~17時30分の3時間分の給与をカットしても平均賃金の6割は確保できているので、大丈夫だということです。



以上は法律論ですが、私は、実務上は、Q1及びQ2ともに社員の承諾を得て年次有給休暇(1日又は半日)に振り返る処理をお勧めしています。上記の欠勤・遅刻・早退時にすべて給与保証をすると、なんとか会社にやってきて、会社で仕事をした人とは不公平になるからです。
また、理屈はどうであれ、社員は自分たちのせいで遅刻・早退・休業になったわけではないのに、その月の給与が減るのは感覚的に納得がいかないからです。
労務管理ではこの「感覚」は極めて重要な意味を持ちます。

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