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公開日:2018年10月1日

平成29年介護サービス施設・事業所調査からみる現状【介護サービス編】

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吉田 匡和(介護ライター)

厚生労働省は9月20日に、平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況を公表しました。各データとともに、トピックスを紹介します。


1 施設・事業所の状況


介護サービスの事業所数をみると、訪問介護が35,013 事業所、通所介護が23,038 事業所、平成28 年4月に通所介護のうち小規模なものが移行した地域密着型通所介護が21,063 事業所となっています。


2 居宅サービス事業所


施設・事業所数


居宅サービス事業所 平成29年 (2017) 平成28年 (2016) 対前年
増減数 増減率(%)
訪問介護 35,311 35,013 298 0.9
訪問入浴介護 1,993 2,077 △ 84 △ 4.0
訪問看護ステーション 10,305 9,525 780 8.2
通所介護 23,597 23,038 559 2.4
通所リハビリテーション 7,915 7,638 277 3.6
短期入所生活介護 11,205 10,925 280 2.6
短期入所療養介護 5,359 5,331 28 0.5
特定施設入居者生活介護 5,010 4,858 152 3.1
福祉用具貸与 8,012 8,030 △ 18 △ 0.2
特定福祉用具販売 8,072 8,111 △ 39 △ 0.5

利用人員階級別事業所数の構成割合




利用者1人当たり利用回数


居宅サービス事業所 平成29年 (2017) 平成28年 (2016)
訪問系 通所介護 9.1 9.0
通所リハビリテーション 8.2 8.2
介護老人保健施設 8.4 8.4
医療施設 7.9 8.0
通所系 通所介護 9.1 9.0
通所リハビリテーション 8.2 8.2
介護老人保健施設 8.4 8.4
医療施設 7.9 8.0
その他 短期入所生活介護 10.2 10.3
短期入所療養介護 7.3 7.4
介護老人保健施設 7.2 7.3
医療施設 10.2 9.8

≪トピックス≫
居宅サービス事業所では、訪問入浴介護が4.0%減少しています。重度な介護を要し、自宅での入浴が困難な方が利用するサービスですが、移動や準備、入浴介助のトータルで1件当たり90分ほどかかるため、1日4、5件しかサービス提供できない上に、通所介護などと競合するなど、事業者の継続が困難なことが理由と考えられます。それを裏付けるように、2014年は2,262件 、2015年には2,190件と減少が続いています。



3 地域密着型サービス事業所


施設・事業所数


地域密着型サービス事業所 平成29年 (2017) 平成28年 (2016) 対前年
増減数 増減率(%)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 861 735 126 17.1
夜間対応型訪問介護 217 226 △ 9 △ 4.0
地域密着型通所介護 20,492 21,063 △ 571 △ 2.7
認知症対応型通所介護 4,146 4,239 △ 93 △ 2.2
小規模多機能型居宅介護 5,342 5,125 217 4.2
認知症対応型共同生活介護 13,346 13,069 277 2.1
地域密着型特定施設入居者生活介護 320 310 10 3.2
複合型サービス (看護小規模多機能型居宅介護) 390 305 85 27.9
地域密着型介護老人福祉施設 2,158 1,977 181 9.2


利用人員階級別事業所数の構成割合




利用者1人当たり利用回数


地域密着型サービス事業所 平成29年 (2017) 平成28年 (2016)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 97.8 106.3
夜間対応型訪問介護 7.1 5.2
地域密着型通所介護 8.1 8.2
認知症対応型通所介護 9.7 9.8
小規模多機能型居宅介護 35.5 35.6
複合型サービス (看護小規模多機能型居宅介護) 39.4 42.9

≪トピックス≫
複合型サービスが大きな伸びを示しています。このサービスは、通いを中心に、短期宿泊や、自宅への訪問を組み合わせて提供されるサービスです。平成24年度介護報酬改定で創設された新しいサービスなので、増加するのは当然と言えるでしょう。地域包括ケアシステムの中心を担うべきサービスとして、今後が期待されています。



4 居宅介護支援事業所


施設・事業所数


居宅介護支援事業所 平成29年 (2017) 平成28年 (2016) 対前年
増減数 増減率(%)
居宅介護支援事業所 41,273 40,686 587 1.4

利用人員階級別事業所数の構成割合



≪トピックス≫
居宅介護支援事業所に配置が義務付けられている介護支援専門員の合格率が低い上に、5年ごとに研修が必要なため、一度離職すると復職が面倒であったり、待遇に見合わない責任や負担の大きさがあるため復職したがらない人が多いなど、人材を確保しにくい課題があります。




≪トピックス≫
2018年9月28日に厚生労働省は、介護保険の訪問介護や、通所介護中に利用できる保険外サービス(混合介護)の事例を初めて自治体に通知しました。訪問介護では、「外出支援の後、利用者が娯楽などのために立ち寄る場所に付き添う」「通院介助の後、見守りなど院内介助を行う」「同居家族の部屋の掃除や買い物」を例示。デイサービスの保険外サービスとして、外出の付き添いや買い物の代行などが挙げられています。希望が多かった訪問介護における同居家族の分の調理については「介護保険と保険外サービスを明確に切り分けられない」という理由で認められませんでした。

「ルールが明確になることで、介護事業者が保険外サービスにも乗り出しやすくなり、利用者にとって選択肢が広がる」と言う一方、「保険外サービスは自己負担が重く、利用者はそれほど増えないのではないか」との声もあり、今後の成り行きが注目されます。


■著者■ 
吉田 匡和
介護ライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。
HP:https://buleorca.webnode.jp/

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