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公開日:2015年9月7日

中小企業社長の適正年収、役員報酬の決め方

意外と決められない経営者の給与を決める5つのヒント

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介護経営 編集グループ

4.税法から経営者の適正年収を考える

社長自身の報酬を幾らにすべきか、顧問税理士さんに相談すると、たいてい「税法で定める過大役員報酬にならない程度に」というような返答を受けます。

役員報酬は原則としては損金です。
ただし支給額が基準額を超える場合は、その超過部分は不当に高額であるとして損金に算入されません。税理士さんは、その事を言っているのです。

では基準額は幾らかですが、形式基準額の場合なら定款または株主総会の決議で定められたもの、実質基準額ならその役員の職務、会社の規模、業界平均などと比べて、不当に高額なものという事ですから、要はケースバイケースという事です。

これでは何の答えにもなっていませんが、このコラムを読んでらっしゃる経営者の皆様なら、税法から適正年収を考える必要はないと思います。

5.納税額から経営者の適正年収を考える

これも税金の面から年収を考える訳ですが、先の税法の問題と比べて現実的な視点です。
特にスタートアップ企業なら、金融機関から充分な支援を受ける事が困難な場合も考えられる訳で、自前で資金を賄うなら納税額を少なく出来る限りキャッシュを手元に残るようにしたいものです。

納税額を抑えたいなら、会社(法人税)と個人(所得税)の税率を比較して、税率の低い方で納税すべきです。

つまり法人税率が低いなら、役員報酬を抑えて利益を多く出す、逆に所得税率の方が低いなら、役員報酬を多く出して社長個人の手元にキャッシュが残るようにする考え方です。

法人税率は基本税率で23.9%、中小企業の軽減税率19%です。
一方で所得税率は、課税所得95万円以下の場合5%、195~ 330万円の場合10%、330~695が20%、695~900万円が23%、900~1,800万円が33%、1,800万円超の場合40%となっていますので、これだけ見ると、所得税より法人税をより多く納めた方がお得に見えます。

ただしこの点は、単純に税率を比較して判断するものではありませんし、節税に役立つ保険商品等も提供されていますので、顧問税理士さんに相談して決められることをおすすめします。

6.社長の考え方から適正年収を考える

これまで様々な観点より、経営者の適正な年収を考えてきましたが、明快な指針がなく、結局のところは「経営者の考え方次第」で決まると言っても過言ではなさそうです。

社員一人当たりの付加価値1500万円の機械商社のK社長の年収は約5000万円。
同業同規模の経営者よりかなり高額の報酬ですが、このK社長、接待で飲食した場合や、部下を飲みに連れていった場合も全額、自分の財布から出して領収証を切りません。
「別に遊んでいる訳じゃないが、社長が高級な飲み屋の領収証を回してきたら、真面目にコツコツ働いている社員はアホらしく感じるでしょう」というK社の場合、ほとんど会社の経費を使わない分だけ、役員報酬を多めにとってらっしゃいます。

社員一人当たりの付加価値1200万円のメーカーのR社長の年収は4000万円。
高額な報酬をとられるR社長ですが、車は国産ファミリーカー、スーツもいつも同じものを着用され袖は擦り切れています。
では4000万円の使い道は?となるのですが、ほぼ全額貯金に回され、会社の設備投資に充当されるとのことです。聞けば業績が厳しい時に、設備投資のための融資を銀行に申し込んだ所、無碍なく断られてから、金融機関に頼らない経営を考えた結果、今日のようになったとの事でした。税的にはお得な方法とは言えませんが、そのお蔭で今では、ほぼ無借金で経営されています。

社員一人当たり付加価値1200万円のアパレル商社のM社長の年収は1200万円。
高収益企業ですが、思いのほか年収は低く、しかも家賃10万円程の2LDKの賃貸マンションで生活されています。
M社長は先のK社長とは全く逆の考え方で、連日、得意先や社員を連れては飲み歩き、多くのM社長ファンを作って、それが商売の面でも効果にあらわれています。
毎晩、飲み歩くので車は持たず、移動はもっぱらタクシーです。
「経営者が高級な外車や豪邸に住んでしまえば、それがゴールとなってしまって、攻めの気持ちがなくなってしまう」と、話されるM社長は今日も仕入先との懇親会です。

7.まとめ

経営者の年収について、経営者が100人いれば100通りの考え方があります。

税的に何がお得かとか、平均と比べてどうかとか、そんな事ではなく、自身の経営哲学に則り堂々と意思決定することが大切なように思われます。

社長からこのような質問を受けた場合、質問の意図が単なる情報収集なのか、あるいはその人なりの経営哲学を確認している、つまり値踏みされているのか、両面あることを留意しないといけません。

社長の給料の決め方について、その人なりの哲学があらわれる所です。

繰り返しますが、経営者には多くの年収をとって欲しいものです。
その方が、後に続く社員、将来起業を目指している者に夢や目標を与え、社会全体の活力を生むと思うからです。

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