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始めに言葉ありき|笹井清範の「本日開店」

2017年7月27日


制作:月刊「商業界」編集長 笹井清範

「デザインで大切なもの、それは言葉なんですよ」
こう語るのは、独特な手書き文体を駆使したデザインで知られるギミック都市生活研究所の小原潔(おばらきよし)さん。
彼を慕う多くのお弟子さんもいるクリエイターです。

「はじめに言葉があった。言葉は神と共にあり、言葉は神であった」
新約聖書のヨハネによる福音書の一節です。
小原さんを取材をして思ったのが、この言葉でした。

小原さんの名は知らなくても、商品パッケージ、地域コミュニティ誌、書籍・ムックなど数多くのデザインを手がけ、あなたもどこかで必ず目にしています。
たとえば、八天堂のクリームパンのデザインなども彼の手によるものです。

実は小原さん、広島の下町でお好み焼き屋さんを営む商店主でもあります。
奥様との約束を60歳にして果たした店は、築60年の理髪店を改装した、昭和感満載の懐かしく、あたたかく、小さな宇宙。
店名は「あたご屋」と言います。

店内に貼られたPOPは思わず目に留め、自然と笑顔になってしまうものばかり。
その詳細は、商業界の人気連載「POPの学校校長の今月の秀逸コトPOP」の著者、山口茂さんの新刊『POP1年生』で紹介しました。

冒頭の言葉は、その取材で得られた彼のPOPノウハウ。
人間が何かを生み出すとき、必ず用いるのが言葉、だからどのようなデザインも言葉をないがしろにしたら人の心を動かすことはできない、と小原さんは言います。
だから、インターネットに頼らずに、現場に足を運び、見て、聞いて、触って、嗅いで、味わうことが大切だと。

小原さんの言葉で、あえてもう一つだけシェアさせていただくのなら、これです。
「デザインとは、その発注者のものであり、それを受け取る人のものです。自分のものと勘違いして“作品”などと称しているクリエイターは二流、三流です」

これはPOPでも、私が手がける雑誌や本でも同じ。
POPなら商品・サービス、雑誌や本なら著者や取材元のもの。
そして、それを伝えたいお客さんや読者のためにあります。
商業界創立者、倉本長治が「店は客のためにある」というのは、そういうことなのです。

小原さん、ありがとうございました。
また、やさしい味のお好み焼きを食べにうかがいますね。

※転載元 笹井清範の商人応援ブログ「本日開店」
http://ameblo.jp/19660726/entry-12295607756.html

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