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物を売らないチラシ|笹井清範の「本日開店」

2017年1月11日


制作:月刊「商業界」編集長 笹井清範

物ではなく心を売れーー
この創業者の教えを守り、絶えなく実践する店があります。
江戸期には天領として栄え、飛騨の小京都と呼ばれる高山において、80年超にわたって食文化を支えてきた地域密着スーパー、駿河屋魚一です。

商業界表紙

その名のとおり魚屋から商いを興し、この地の年取りに欠かせない伝統食、塩ぶりをはじめ厳選された商品の提供に努める店には、すごい漢(おとこ)がいます。
昨年選ばれた第7回商業界チラシ・DM大賞ホルダー、松澤豊さんを再び訪ねました。

第7回商業界チラシ・DM大賞

大賞受賞作品の表面は、B2判全面を使ってご覧のとおり、自慢の塩ぶりを抱えた創業者、溝際一男さんの立ち姿。
年の瀬に、自慢の塩ぶりをお届けできる誇りに満ちた表情をとらえた見事な一枚です。
大賞発表号では、そのまま表紙に載せさせていただき、全国から多くの反響を頂戴したことは、私にとっても編集者冥利につきる快事でした。

松澤豊さん

あれから間もなく一年。
今回の訪問の目的は、大賞ホルダーのそれから。
松澤さんがその後、どのようなチラシを生み出してきたかを取材することにあります。
穏やかな笑みを浮かべながら松澤さんが見せてくれたチラシは、私の期待をはるかに上回るものでした。

正直ファーム

正直ファームーー
そう題されたB3判表面には、やはり商品は一つも掲載されていません。
安全・安心な作物づくりに取り組む地元の篤農家、野村さんご夫妻の協力を得て、社長の溝際清太郎さんはじめ駿河屋の社員さんが休耕田を耕して有機米づくりに取り組んだドキュメンタリーです。

駿河屋の米づくり

田植え、草取り、稲刈り、はさ掛け、脱穀に額に汗して、泥だらけになりながら米づくりに取り組む姿が描かれています。
そのチラシを目にした私は、まるで一遍の上質な短編映画を鑑賞したような感動と爽快感をおぼえました。

溝際さん

この取り組みの目的を、溝際さんは語ります。
「生産者の方々が、どれほどの努力と愛情を注いで作物を育て、それを私たちに託してくださっているかを、まず私たちが身をもって肚に落とすこと。その上で、お客さまに自分たちの体験と言葉で、その思いをお伝えしたいのです」
物ではなく心を売れーー
創業者の教えは、いまも脈々と駿河屋に受け継がれていることを松澤さんのチラシは教えてくれました。

チラシの反響はたいへんなものでした。
「やっぱり駿河屋さんですね」
普段は厳しい注文をくださる常連さんをはじめ、多くのお客さんがそうおっしゃってくれたそうです。
やっぱりーー
この4文字の副詞こそ、いくら言葉を並べるよりも価値ある評価ではありませんか。

商業界創立者 倉本長治

巷では「最近、チラシはめっきり効かなくなった」と言われます。
そう言われたとき、わたしはいつも商業界創立者、倉本長治の一遍の言葉を紹介します。
「現代の広告には、人を動かす誠意が不足している。いや、広告に不足しているのではなく、商人のそのものに誠意がないのである。だから、彼らの書く広告が不誠意なのである」

そう、チラシはお客さまへのラブレターなのです。あなたは愛を告げるとき、真心を伝える前に、お金の話をしますか?
そんなことされたら、ドン引きですよね。
でも、チラシではそんなことしていませんか?

さらにチラシは、仕入先への固い約束であり、社員への熱い決意表明です。
何より誠意が大切です。
ぜひ、ただいま募集中の第8回商業界チラシ・DM大賞で、あなたの真心を見せてください。

そして松澤さんのチラシの詳細は、2月1日発行の新装刊、商業界3月号までお待ちください。
松澤さん、いつも素晴らしいチラシをありがとうございます。
あなたと出会えたことは、私の喜びです。
こんど、ゆっくり一献の機会を。
だから、お身体をご自愛くださいね。

トマト店長こと、駿河屋古川店の牧ヶ野芳男さん

それともう一人、駿河屋さんを語る上で欠かせない漢がいます。
トマト店長こと、駿河屋古川店の牧ヶ野芳男さん。
全力でお客さまに楽しんでいただこうという彼の日常は、駿河屋古川店brogをご覧ください。
そこにもお客さまへの愛があります。

※転載元 笹井清範の商人応援ブログ「本日開店」
http://ameblo.jp/19660726/entry-12236614348.html

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