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公開日:2018年2月6日

働き方改革でどれくらいの利益が吹き飛ぶのか?

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福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

いま、中小企業に戦慄が走っている

働き方改革、政治的には否定しようがなく、聞こえがいい「美名」だが、特に小売・サービス・建設業等にとっては、単なるコストアップにしかならない。悲鳴にも似たご相談がある。それは、「若手の離職が止まらない」というご相談だ。それも10人、20人の企業での話ではなく、100名、200名の企業が深刻だ。地元・業界では有名な会社だ。いま、そのような会社が苦境に立たされている。働き方改革に若干遅れをとってしまっている企業は特にそうだ。

もうこのままではやっていけない!サービス業の事例

A社は社員数130名のサービス業。経常利益は、1億円程度出ているが、最近収益性にも陰りがある。以前の賞与は4カ月分以上出ていたが、最近は2か月ちょっとだという。ネットの就職情報サイトには「ブラック企業」「就職しないほうがよい」「退職者が多すぎて内部が崩壊」等、企業規模に比しては多くの書き込みがある。

実際の離職率は一昨年の倍の18%に跳ね上がった。聞くところによると、年収ベースではそれほど悪くはないが、長時間労働・休日出勤が多く、管理職がパリっとしていない、そんな状況が目に付く。出勤簿に押印するだけで、時間管理はなされていない。年次有給休暇は病欠以外なく、申請書さえない。10年前は「収益性・安定性のある良い会社」であった。しかし、「働き方改革」「人出不足時代」において、「未来のない会社」になってしまったのだ。

先生、どうしたら良いですか?

このような状況で、収益性・安定性に乏しければ「お手上げ」である。しかし、A社は幸い体力がある。だから、金で解決できる。金で解決するとはどういうことか。まず、人件費に金をぶち込む事だ。少なくとも利益は半分、足らなければ利益を3分の1にしてでも、「会社の姿勢」を社員に見せつけることだ。つまり、チマチマやるのではなく、一気にやることだ。特に残業代と休日出勤手当を解決する。休日を増やす事に集中する。既存の社員が「会社は本気だ」と思うレベルに引き上げる。これはオーナーにとっては恐ろしいことだ。上昇の流れをもし作れなければ赤字に転落する恐れもある。でも、やるしかない。ヤマト宅急便も現状の労働条件の改善だけでなく、過去2年分の残業代の遡及払いも行った。中小企業が過去分の精算となると苦しいが、少なくとも現在を抜本的に改善する。

金が出せない収益性・安定性に乏しい会社はどうするか。不採算部門・商品・顧客から撤退し、業務リストラを行い、まずは縮小・スクラップすること。つまり、働き方改革を実行できるような人と組織の体制を軸に事業を再構築する他ない。場合によっては、景気が急失速する2019年あたりまでにM&Aで体力のある会社に売ってしまうという選択肢も十分にありうる。

働き方改革は特に中小の小売・サービス・建設業等に対して、淘汰を促している。政府の政策というより、労働市場のマーケットで特に若手から選ばれる企業とそうでない企業がハッキリと区別されてきた。これが恐ろしい。日々ご相談にのっていて、今までにない、特別な危機感を感じている社長が実に多い。景気回復で業績回復? 違う。これからが正念場。ぜひ、力になりたいと思う。

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