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公開日:2017年11月28日

未払い残業代請求 2年→5年へ の備え


制作:福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

時効が2年から5年へ延長に


厚生労働省は未払い残業代の支払いを請求できる期間を延長する方針です。労働基準法は過去2年に遡って請求できるとしていますが、それを最長5年に調整するとのことです。

延長する理由は、長時間労働の抑制につなげたいという意図がまず挙げられます。

また、平成29年5月に成立した改正民法では賃金の支払い請求ができる期間を1年から5年に決定しました。”最低限度の基準を定めた”労働基準法の請求期間が2年であることはその立法趣旨に反し、矛盾があることがあげられます。

厚生労働省は年内に検討会を設置・議論し、来年の夏を目途に労働政策審議会で具体的な消滅時効の議論をするとしています。法改正が必要と判断された場合、2019年に法案を提出し、2020年にも施行するとしています。

労働時間を把握・管理して会社を守る


上記の請求期間が5年になると、現在と比べ単純計算で全体で2.5倍以上の未払い賃金が発生するといわれています。

私は、法的なガードが緩い、一部の中小企業(特に運送業)は未払い残業代問題で倒産の危機に瀕する会社もあるのではないかと思います。弁護士のサービス残業ビジネスとしても”おいしさ”が倍以上になるので、女性の低い声でテレビ・ラジオで、さかんな広告宣伝・勧誘が行われるでしょう。「未払い残業代がないと思っている人(管理職・営業職含む)も相談ください、事務所への交通費は無料、数十万円から数百万円単位でお金が戻ってくる可能性があります!●●●法律事務所へ。急いでください!」なんて。

裁判や労働行政の考え方は、タイムカードを使用している場合、開始の打刻から終わりの打刻までを、それが労働時間であったと推定します。それが労働時間でないと会社が言いたい場合は、その推定を反証によって覆す必要があります。具体的には、残業許可申請書や残業命令簿等による反証となります。しかし、客観的な記録であるタイムカード等と残業許可申請書等の乖離が大きい場合や、残業許可申請書等が30分単位でしか記録がない場合等は、それが本当なのか?に疑義がつきます。

タイムカード等の客観的な記録は法的に強いのです。逆に、タイムカード等の客観的記録が存在しているのに、従業員の日記やメモに打刻前や打刻後も労働していたのだ、というのは、今後は労働者側がその反証を覆す必要があるので、労働者側の主張は難しいとなります。

したがって、これからの労働時間の把握・管理は、

(1) タイムカード等の客観的な記録と残業許可申請書の乖離は30分以内とする。

(2) 残業の記録も1分単位とする(計算上、1日単位で15分や30分の切り捨てをしない)

(3) もし30分以上の乖離があった場合は、その差異時間は何をしていたのかの記録をしておく

とりあえず内容証明郵便で請求書を送ってくる人物も増えるはずですから、企業防衛としての労働時間の把握と管理発想が求められるでしょう。

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