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市場から「人」へ|笹井清範の「本日開店」

2016年8月4日


制作:月刊「商業界」編集長 笹井清範

プラスチック成型から始まったアイリスオーヤマ。
今やその事業領域は、家電・寝具・インテリア・園芸用品・食品・ペット用品など、私たちの暮らしの中に大きく広がっています。
そのキーワードとして知られているのが「ユーザーイン」という言葉です。

モノが不足していた時代はつくれば売れた時代。
プロダクトアウトと言われる生産者視点でモノをつくり、小売業はそれをいかに大量に販売するかが勝負でした。
その後は、ご承知のようにモノは余りはじめ、マーケットインという視点が注目されます。
消費市場に目を向け、そこにあるニーズを起点とするわけですが、それが効果を発揮した時期はそう長くはありませんでした。

消費市場というあいまいなニーズの中からは革新的な商品はなかなか生まれてきません。
皆にとって良い商品とは結局のところ平均点。
情報があふれメッセージがまともに届かなくなった今日、従来の「広く、多く」を特徴とするマーケティングでは、誰も振り向いてはくれなくなりました。

ユーザーインとは、モノづくりの効率や技術を優先するのでもなく、あいまいな“客層”という視点に立つのでもなく、自らが生活者の目線で不満や不便を解決すること。
いわば“たった一人”に対して、自社が何をできるかを追求することです。
お客さまを“たった一人”まで絞り込む。
そうするとマーケットは広がり、お客様は増えることをアイリスオーヤマは教えてくれます。

こんな例もあります。
鳥取駅近くの商店街にある「万年筆博士」という店は、手づくりの万年筆に特化することで、全国にその名を知られる専門店になりました。 かつて廃業寸前まで行った同店ですが、かろうじて残っていた製造技術に強みを見いだし、顧客一人ひとりの筆圧、くせ、好みに徹底的に寄り添うオーダーメードを取り組んだところ、その魅力がクチコミで広がっていきました。

どれだけたくさんの人に売ろうかと考えるのではなく、「誰に?」を煎じつめましょう。
広げ、薄めると浅くなり、狭く、濃くすると深くなる――。
そこには世界観が生まれ、それに共鳴・共感するお客さまをさらに惹きつけるのです。

※転載元 笹井清範の商人応援ブログ「本日開店」
http://ameblo.jp/19660726/entry-12184710814.html

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