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知らないと危険な飲食店の開業届け(2)


制作:おぬおぬ(行政書士・ライター)

飲食店開業に関して必要な許可や届出(2)

実際、どんな場合に+αがいるの?


ここからは具体的にどんなお店の場合、どんな許可がいるか、ということを説明していきます。

・まずは、いわゆる「飲食店」

和食、イタリアン、中華、定食屋、居酒屋、バー等々その種類やお店の名前に関わらず、基本的には「飲食店営業許可」のみでOKです。

・飲食店を深夜に営業したい!(ex.バー、居酒屋等)

いわゆるバー、居酒屋などの場合が多いのですが、お店の種類を問わず、深夜12時以降もお酒を提供する形態を採る場合、「飲食店営業許可」+「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要になります。
例えば、バーを出店した場合です。まず基本となる「飲食店営業許可」が必須ですね。無事「飲食店営業許可」を取って、営業を開始したところ郊外の駅前の為か、深夜の遅い時間に来るお客さんが多い。「せっかくだから夜中の3時まで営業しよう!」となりました。そんな場合には、深夜12時以降もお酒を提供するには。飲食店営業許可に加えて、「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要になる訳です(ちなみにこれは食べ物の提供がメインの場合、要らない可能性があります(24時間営業のファミリーレストラン等))。この届出の提出先は「飲食店営業許可」と違って警察署です。ちなみにこれは許可ではなく届出ですので、要件を満たしていれば届け出るだけでOKです。一室のお店の場合、面積の要件はありませんが、店内に1m以上の高さの仕切り等があって二室以上に分かれている場合には、9.5㎡以上の面積が必要になります。そして、深夜に営業をする10日前までに届け出ないといけません。尚、「普段は夜12時で閉めてるけど、今日はたまたまお客さんが帰ってくれないから夜中1時まで営業しちゃった…。」という場合は大目にみてもらえるのか?答えはNOです。12時までの営業ですと、12時には完全に店内にお客さんがいない状態にしないといけません(11時半ラストオーダー、12時閉店、なんてお店が多いのはこの為です)。

この届出を出す際に注意すべきなのは「用途地域」というものです。住居専用地域等では届出を受け付けてもらえません。つまり、そもそも深夜営業が出来ない地域なのです。「せっかく店舗を確保したのに、12時までしか営業出来なかった…。」なんてことになったら大変です。一般的には繁華街ではこの規制には該当しないことが多いです。用途地域は市区町村役場で教えてくれますので、店舗を借りる前にしっかり確認しましょう。

・「接待」をする形態にしたい(ex.スナック、キャバクラ、パブ等)

「接待」を行う形態にしたい場合、飲食店営業許可に加えて「風営許可」が必要になります。さてこの「接待」とは何か?この解釈基準はとても分かりづらいのですが、敢えて簡単にいうと「お客さんの隣に座っておしゃべりやお酌をする行為」「一緒にカラオケをする行為」といった行為であると言われています。(ガールズバーが「接待」のあるお店に該当するかしないのか、このあたりの解釈は実はとても微妙なところです。)
この「風営許可」も前述の用地地域の制限があります。住居専用の地域ではほぼ許可がありませんので、これも店舗探しの段階でしっかり確認しましょう。
尚、やはりこれも客室の床面積についての基準があります。あまりに小さい店舗や、個室一室あたりの面積が小さすぎると許可が下りません。又、「客室の内部が外部から容易に見通すことが出来ないものであること。」というのも要件の一つですので、通りから内部が見えるような内装はNGです。「風営許可」の申請先は警察署ですので、店舗や内装を決める前にきちんと確認を行いましょう。

・ナイトクラブって??

平成28年の風営法の改正により新設された「特定遊興飲食店営業」。これは「深夜」に営業し、お客さんが「遊興」し、「酒類」を提供する営業形態です。深夜に営業しているダンスホールやライブ会場、いわゆる「ナイトクラブ」と呼ばれる営業形態などが該当する可能性があります。該当する場合には、飲食店営業許可に加えてこの「特定遊興飲食店営業許可」が必要になります。

・これは盲点?ダーツバー

「デジタルダーツをお店に置きたい!」そんなオーナーさんもいらっしゃると思います。このデジタルダーツはいわゆる「ゲーム機器」に該当する為、設置するには風営許可が必要になります。要は、「デジタルダーツもゲームだから、ゲームセンター用の許可を取りなさい。」ってことですね。しかし、当該ゲーム機器の専有面積が客席面積の1/10以下でしたら、例外的に風営許可はいりません。カウンター10席とテーブル席2つといった規模のお店に1台のデジタルダーツを設置、という感じなら風営許可は要らない可能性がある、という訳です。もちろんビデオゲームを1台設置、という場合も同様です。こういった店舗では夜12時以降も届け出ればバーの営業が可能、という場合もある訳です。

・風営許可で深夜も営業したい

前述の様に、お酒を提供する飲食店は夜12時以降は「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要です。じゃあ風営許可で営業しているスナックやキャバクラも届出すれば夜12時以降も営業出来るのか?これはNOです。風営許可と深夜営業の届出は重複出来ません。夜12時まではキャバクラ、12時以降は「接待」なしでバー営業、なんてのもNGです。あくまでどちらかですね。やりたいお店の形態や、立地場所による事情をよく考えて決定しましょう。

・屋台を出したい!(ex.移動販売、屋台等)

繁華街でたまに見かけるラーメンの屋台、クレープの移動販売等、これらももちろん食べ物を提供している訳ですから、飲食店営業許可が必要です(場合によっては菓子製造の許可の場合もあります。)。特殊な形態ですので、その分許可も少々ややこしいです。まず、移動販売で行って良いのは盛り付けなどの簡単な行為だけ、仕込みはきちんと場所を確保して行わなければなりませんし、自宅などで仕込んで移動車に持ち込む、ということはできません。仕込みの場所もしっかり申請する訳です。その為、仕込み用の場所を確保しなければいけません。移動販売だから家賃がかからないと思っていたら、専用の厨房を借りるのに家賃並みの経費がかかってしまった…なんてこともあり得ますのでご注意を。その他にも、自動車を使うのであれば、自動車を改造する為、「自動車検査法人の構造変更検査」が必要ですし、販売場所に道路を使うのであれば、警察の「道路使用許可」、公園を使うのであれば管理している自治体の許可が必要になってきます。

次回はより具体的な許可申請や届け出の方法について解説致します。

■前回の記事はこちら
飲食店開業に関して必要な許可や届出(1)

■著者■ 
おぬおぬ
行政書士。バーテンダーの経験を活かし、飲食店関連許認可、民事法務、入管業務を中心に、顧客との相談が得意な行政書士として活動。 ライター業も行っています。社会保険労務士有資格者、介護福祉士、宅地建物取引士を兼務。

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