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社会保険について知ろう!社保に加入する事業主側のメリット


制作:おぬおぬ(行政書士・ライター)

社会保険に入ってますか?


中小規模の飲食業のオーナーさんの中で、社会保険加入の手続きを済ませていない方は実はけっこう多いのではないでしょうか。「ウチは法人だから、社会保険に入らないといけないらしい、、、。」「年金事務所から早く手続きをする様に、注意を受けている、、、。」などと、早く加入しなければと、頭では分かっていてもイマイチ手続きをする気にならない、むしろ出来れば入らずに済ませたい、と考える方もいらっしゃいます。そしてその理由は「社会保険は高いから、入ると損でしょ?余計な出費は避けたいんだよ。」といったところでしょう。

社会保険とは?


さて、ひとまとめに社会保険と言われていますが、社会保険とは一般的に「健康保険」「厚生年金」を指します(狭義の社会保険)。また、この他に「労災」と「雇用保険」のいわゆる、労働保険をも含めて社会保険という場合もあります(広義の社会保険)。ここでは労働保険とは分けて、「健康保険」と「厚生年金」のみを指す狭義の社会保険について説明します。

実際に保険料はどのくらい?


高い高いと言われる社会保険の保険料。実際にはどのくらいなのでしょうか?
まず健康保険についてです。これは地域や運営している健保組合によって若干違いがあるのですが、大まかにいうと、支払っている給与の約10%程度です。これを労使折半で負担しますので使用者の負担は約5%ということになります。

~月給30万円の社員の場合~
30万円×約10%÷2(労使折半)=約1万5千円
となる訳です。合計で3万円。それを使用者が月1万5千円、労働者が月1万5千円ずつ支払う、ということです。
次に厚生年金。これは毎年少しずつ上がっているのですが、イメージを掴むために大まかに言いますと、給与の約18%です。これも労使折半での負担なので、使用者側の負担は約9%です。同じように月給30万円の社員の場合、
30万円×約18%÷2(労使折半)=約2万7千円
となります。合計で5万4千円を、使用者が月2万7千円、労働者が月2万7千円で折半して支払うことになります。
使用者側の負担としては月1万5千円+月2万7千円、合計月4万2千円の負担となります。割合的には、労働者に払っている月給の14%の出費となります。単純に考えれば、支払いが給与額の14%増える、ということになります。とすると、確かに少し負担に感じるかも知れませんね。

一方、労働者目線では?


この社会保険は、労働者側としては、社会保険に入れるかどうかが、その会社で働くことのメリットの代表的なものであると捉えられている面もあります。社会保険なし=ブラック企業なんて捉え方もされます。まあそもそも強制加入ですので、入っていないとブラック企業どころか「違法な事業所」となってしまうのですが、実際問題としては加入していない企業も相当程度ある訳です。

働く側としては、社会保険に入れない場合には、自分で国民健康保険と国民年金に加入せざるを得ません。つまり、「医療」と「年金」に関する保険料を全額自分で負担しなければならない上に、保障内容が充実していない・・・となります。会社が半分負担してくれる上に、保障が手厚い健康保険や、将来の年金額が大きい厚生年金に加入していることのメリットはとても大きい訳です。

なぜ社会保険に加入するの?


では、費用を負担してまでなぜ社会保険に加入しなくてはいけないのか。身もふたもない言い方をしてしまえば、法律で決まっているから、となります。労働者には、より手厚い保障を行いましょう、という法律上の要請がある訳ですね。
ちなみに飲食業では、従業員数に関わらず、「法人は強制加入、個人事業は任意加入」となります。

社会保険に加入すると事業主側にもメリットが?


法人の場合には、社会保険に加入すると、一般労働者だけなく、役員も社会保険加入が出来ます。つまり、役員も法人から報酬を受けて働いている、という風に考える訳です。加入すれば、当然健康保険が使えますから、国民健康保険には(ほぼ)ない、傷病手当などの制度が使えますし、年金支給開始年齢になれば厚生年金をもらえる訳です。つまり、病気、ケガ、障害、老齢、とった現象に対しての補償が手厚くなるのです。
しかし、個人事業の場合には、事業主は社会保険加入が出来ません。オーナーさんご自身が社会保険に加入したい、という場合には、法人化する必要がある、ということになります。

加入するにはどうすればいいの?


実際に加入するには、事業所を管轄する年金事務所にて加入手続きを行います。直接行っても良いですし、郵送での申請や、電子申請も可能です。保険料は給与(標準報酬月額)の額によって決まりますし、被扶養者がいる場合にはその旨の届出も必須です。加入する労働者の給与の額、被扶養者の有無については把握してから手続きを行いましょう。この辺りは年金事務所に問い合わせると優しく教えてくれますので、迷った場合にはまず直接問い合わせるがおススメです。
また、「手続きが良く分からないし、面倒だ!」という方は社会保険労務士にお任せしてしまうのも良いでしょう。

法人(強制加入)なのに、入らないとどうなるの?


さて、強制加入の事業所が社会保険に加入しないとどうなってしまうのか。最近は法人事業所には「早く入って下さい。」という指導が頻繁に行われています。この指導を無視し続けると、未加入であった期間(最長2年間)の保険料を追徴されたり、悪質な場合には、50万円以下の罰金又は六か月以下の懲役、といった罰則が科される可能性もあります。
この追徴金ですが、過去二年間の保険料を一括請求されるのですが、その額は決して小さくありません。従業員が3人程度の規模でもなんと3百万円前後になるのです。中小規模の場合、この急な出費が経営に与える影響は決して小さくない、ということはお分かりだと思います。

確かに安くはない保険料の社会保険。入るか入らないかは・・・


現実問題として、社会保険に加入することで発生する出費を避けたい、という理由だけで加入手続きをしないオーナーさんは多くいらっしゃると思います。しかしながら、この社会保険、ただ無暗に月々の支払いが増える、というものではありません。払った保険料の分だけ社会保険制度を使える様になるのですから、リターンも当然あるのです。また、未加入事業所が多いといわれる中小飲食業では、加入していることが労働者にとって、その企業で働く大きなメリットになり、有能な人材の応募や、離職率の低下、会社自体の信用度や社会的評価を上げることにもつながります。強制加入の事業所が加入手続きをしないで違法な状態のまま経営を続けるリスクと、加入をすることで発生する保険料の支払い、それによって労働者が、また巡り巡ってその事業自体が受ける恩恵がどういうものであるのか、それらをきちんと理解しておきましょう。

■著者■ 
おぬおぬ
行政書士。バーテンダーの経験を活かし、飲食店関連許認可、民事法務、入管業務を中心に、顧客との相談が得意な行政書士として活動。 ライター業も行っています。社会保険労務士有資格者、介護福祉士、宅地建物取引士を兼務。

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