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飲食店開業手続き「無許可営業の罰則について解説」


制作:おぬおぬ(行政書士・ライター)

飲食店を開業する際に必要となる許認可について説明してきましたが、ここではそういった必要な手続きを怠った場合の罰則(ペナルティー)や、現実的にかせられる処分、その対処について解説します。

無許可営業の罰則(ペナルティー)


無許可で営業を行った場合、以下の様な罰則が科せられます。

*許可を取得せずに営業を行った場合
2年以下の懲役または200万円以下の罰金(食品衛生法、風営法)

*虚偽記載で許可を取った場合や、名義貸しを行った場合
2年以下の懲役または200万円以下の罰金(風営法)

*深夜営業の届出をせずに深夜営業を行った場合
50万円以下の罰金(風営法)

どれも非常に重いですね。無許可営業のリスクがとても高いことが分かります。

その他、営業所の大幅な構造変更を行ったのにその届出を怠った、客引き行為を行った、20歳未満のものに酒やたばこの提供を行った、18歳未満のものを22時以降を働かせた、必要な従業員名簿を備え付けていない等の違反行為に対し、懲役や罰金が科されます。

行政処分について


また、食品衛生法や風営法の罰則・ペナルティーの他に、行政上の処分として

 ・指示
 ・営業停止
 ・営業許可の取消

という処分も存在します。
これらは罰則と併科されます。

行政処分は、指示→営業停止→営業許可の取消しと進みます。
営業許可の取り消しというのは、その後の営業が不可能になる訳ですから、経営者にとって致命的な処分と言えます。
但し、いきなり営業許可の取消しが行われるというケースはあまり多くありません。まず指示を行い、それに従わない場合や重大な違反が発覚した場合に行われます。
その為、保健所や警察などの行政機関から指示を受けた場合には、決して放置せず速やかに対応を行って下さい。ご自身ではどう対応したらよいか分からない、対応方法があると思えない、という場合でも、諦めずに行政書士、弁護士等の専門家に相談することで思いもよらない解決方法が見つかった、ということは非常に良くあります。
実際に取り消し処分を受けてしまうと一定期間(食品衛生法→2年、風営法→5年)は新しい許可が受けられなくなってしまいます。

無許可営業はなぜ発覚するのか?


違反行為が発覚する経緯としては、地域住人やお客さん、同業者からの通報や、警察官による巡回等があります。
また、従業員が起こした事故や事件の調査の際に発覚してしまう、なんていう藪蛇の様なこともあります。
警察はいきなり摘発を行う訳ではなく、まず私服でお客さんとして来店し、詳細を調査することが多い為、重大な違反をしている場合で、実際に警察官がお店に来た時には、既に違反の十分な証拠を掴んでいる可能性が高いのです。

よくある摘発・処分事例


飲食店営業に関する摘発の事例として、実際に良く目にするものは以下の様なものです。
いずれも敢えて違法行為をしている意識はなくても、ほんの少し注意を怠るだけで重大な違反に繋がってしまいます。
「真っ当に営業していたつもりだったのに・・」と後悔するようなことがない様に特に注意しましょう。

① 飲食店営業許可のみで接待行為を行っていた、または届出せずに深夜に営業していた
② 18歳未満の従業員に接待行為をさせていた
③ 未成年者に酒類やタバコを販売していた
④ 個人事業から法人成りの際に法人名義で許可を取得していなかった(名義貸し)
⑤ 不法滞在の外国人を知らずに雇用していた

等が処分事例としては多くみられるように思います。

行政処分を受けた場合の対処について


故意にしろ、過失(知らなかった)にしろ、発覚してしまえば処罰を受ける可能性があります。
現実的には、軽微な違反であるとか、許可が必要だということ知らなかった経緯等によっては、「すぐに許可を取得して下さい。」という注意がまず行われる場合も多いです。
その際に放置してしまうと、実際に営業許可の取り消しや罰則の適用が行われる可能性が高まりますので、直ちに手続きを行うようにしましょう。
ただ、注意を受けてからの申請では、その間お店を閉めなくてはいけなかったり、審査自体が非常に厳しくなってしまいます。
指導や注意をした、という記録は残りますので、申請にいくと、「他に違反はない?」等と余計な疑いをかけられてしまうこともあります。必要な許認可や手続きを見落としていないか、定期的にチェックし、適法な状態を維持する様にしましょう。

*指示処分を受けた場合
指示の内容をよく確認し、許可の取得や違法状態解消の為の対応を直ちに行う様にしましょう。行政庁と対決姿勢を取らず、指示の段階で違法状態を解消する為に動くことがお店にとっては最も重要です。

*営業停止、営業許可の取消の場合
営業許可の取消を受けてしまえば、業態を変えるかお店を閉めるしかありません。
営業停止は停止期間によりますが、経営に与えるダメージは甚大であることは容易に想像がつきますね。
その為、余程の違反行為か食中毒などの大きな被害を出さない限りはこれらの処分が下されることは少ないです。
また、これらの不利益処分は処分が行われる前に、弁明や聴聞の手続きが行われます。
要は、なぜ違法な状態になっていたのか、本当に違法な状態であったのか等、オーナーさんの事情や言い分も聞いてくれるのです。
万が一、このような状態に陥ってしまっても、しっかりと事情を説明するようにすることにより、自分の正当性を行政側に理解してもらうように努めましょう。

以上、飲食店営業に必要な許認可に関しての罰則、処分についての解説でした。

■著者■ 
おぬおぬ
行政書士。バーテンダーの経験を活かし、飲食店関連許認可、民事法務、入管業務を中心に、顧客との相談が得意な行政書士として活動。 ライター業も行っています。社会保険労務士有資格者、介護福祉士、宅地建物取引士を兼務。

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