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「職場評価表」で管理職を育てよう

個人の人事評価から職場の評価へ


制作:福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

「職場評価表」で管理職を育てよう

中小企業の典型的な労務課題は「現場リーダーの不在」です。中小企業専門の人事コンサルタントとして、毎日この悩みを御聞きます。

この現場リーダーが以下の役割を果たせない場合、会社は大きな損失(社員の熱意の低下による能率低下、離職等)が発生していることになります。

① チームとしての成果をあげる

② 部下の指導育成を行う、部下と良好な関係を築く

③ より高いレベルに自分を高め、周囲に影響力を及ぼす

上記の役割を1~2回の単発の管理職研修によって実現することはほぼ困難です。また、中小企業の管理職はプレイング、プレイング、プレイングマネージャーですから、なかなか部下のめんどうを見る余裕がありません。

企業文化というのは、会社全体に普遍的なものと考えがちですが、実は、一つの企業でも実に多様です。ひとつの職場(特に場所的に離れた支店、店舗、工場)毎に特有の企業文化が存在します。

「イキイキ職場」

「ボチボチ職場」

「イマイチ職場」

「ギスギス職場」

職場がうまくいくかどうかは、まさにその職場を任せられた現場リーダーの行動によるものです。退職理由はその会社から去るというよりも、その現場リーダーから去るということも多いのです。

職場評価表の活用の流れは以下のようになります。

職場評価表を各職場に配布する

   

全社員(店舗等で社員が1人しかいない場合は、パート・アルバイト含む)が自分の職場を「職場評価表」(A4 1枚)で評価する

    

評価表の各項目の「会社の平均点」と「職場毎の点数」は公表する

    

結果を下に役員・上級管理職と職場をつくっている現場リーダーとで面談の機会を持つ。より良い職場づくり(点数アップ)を目指すために、リーダー個人の反省点や会社として協力できることを話し合う。これが一番の現場リーダー育成につながる!

    

目標は職場毎に点数を上げ、会社全体の点数をあげていくこと。この点数が上がれば、業績が向上するという結果をもたらす!

上記を少なくとも半期に1回繰り返す。

従来の「(個人別の)人事評価表」は、上司から部下個人への評価とフィードバックに限られていました。でも、特に遠方の支店、工場、店舗となると、実際の数値のみが評価され、リーダーが本質的なマネジメント活動をやっているのかどうか、イマイチわからないのです。日常「見る」ことができないので、仕方がありません。多くの会社で、実は御茶を濁しておられる部分です。

全社員参加型の「職場評価表」ならどうでしょう。これで、その職場がうまくいっているかいないか、手に取るようにわかる。お気付きのように、この職場評価表には間接的に「部下から上司への評価」も含んでいる。上司のマネジメントの成功・失敗の評価は部下が「(主観的に)心でどう感じているか」という事実が、重要な根拠データとなりえます。

もっというと、職場評価表の結果は「社員から経営陣の仕事への評価」ともいえるのです。

売上を上げることはできないが、お客様がご購入戴くための条件整備はできます。

社員を辞めさせないことはできないが、社員がこの会社に居ようと思う条件整備はできます。

売上、利益、返品率、不良率、離職率・・、これらはすべて結果指標です。実は結果はコントロールできない。

これらはすべて人、人と人の関わり、つまり「職場」が原因(内因)です。ですから、職場がうまくいっているか否かを、簡単に評価し、現場リーダーに気付きを促し、修正していく先行指標があれば、原理的かつ具体的に経営者・リーダーがどのような条件整備を行うべきかがわかるということです。

注意点として、「職場がうまくいく」「職場がまずくいく」という定義や指標ですが、やはり最後は業績指標と結び付く先行指標をポイントを絞って活用することが必要です。

職場においてみんな仲が良く、居心地の良い職場と業績向上は必ずしも一致しないので、このような指標は「良い職場の指標」としてはダメです。また、人事評価に直接結びつけて、リーダー・上司の給与、賞与、昇進等と関係性を持たせるのもうまい運用方法ではありません。あくまで、リーダーの成長を目的に活用するべきです。

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