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社員の転勤拒否に困っているのですが?

人事評価と給与制度づくり


制作:福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

社員の転勤拒否に困っているのですが?

中堅以上の企業になれば、転居を伴う転勤命令による全国的な円滑な人員配置が労務管理上、必須になります。しかし、「私は転勤できません」「転勤するなら辞めたいです」との声が昨今頻繁に聞かれるようになりました。

夫婦共働き・男性の家事参加・ワークライフバランスの社会的要請が高まっており、転勤命令を拒否した場合に解雇等できるかの基準は、「仕事と家庭の調和」の方向へ大きく修正されています。つまり、転勤拒否したら解雇だ、という就業規則上のルールなどはぶっ飛んで、昭和の時代の「転勤命令を拒否したら会社に居れない!」という従業員の価値観は実務上もうなくなるのです。

だとするなら、以下の重大問題が発生します。

1 全国展開している企業は円滑な業務運営が困難になる(彼・彼女を転勤させることができると思っていたのに、断られると事業計画が狂う。それも続けて断られると経営側のストレスがとても大きい)

2 就業規則は「転居を伴う転勤を無条件で受け入れる」ことが前提だが、拒否することで「お咎めなし」なら、嫌だけど受け入れてくれる社員との公平感が保てない。

実務の現場では、大きく2つの解決策に帰着します。

その1 転勤応諾者にインセンティブをつける

原則、転居を伴う転勤は本人の合意を前提にして、転勤の応じた人に期間限定で「転勤手当」等のインセンティブをつける(社員の士気に配慮しながら、公平感はなんとか維持できるが、転勤できると見込める人は極めて少なくなる可能性がある)

その2 地域限定社員を設ける

本人の選択に基づき地域限定社員を設け、無限定の社員と報酬格差をつける。ただし、中堅企業以上の場合、少なくとも「新卒」は原則、「無限定」にしないと円滑な業務運営が難しくなる。一方、関西地区に本社を有する企業が関東で人材を採用する際に、「転勤がありえる」という労働条件はとてもマイナスに働くので、企業ブランド、業種等の採用力との兼ね合いで決定。

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