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太陽光発電、オークションの背景に何が?

再エネに関する国の固定価格買取制度にみられるひずみ


制作:廣瀬 鉄之介(エネルギー・環境ジャーナリスト)

太陽光発電、オークションの背景に何が?

去る2月に、太陽光発電所がインターネットオークションにかけられ、関係者の注目を集めました。インターネットオークションではさまざまな商品が出品されることがありますが、太陽光発電所のような大掛かりで、しかも今後の成長が期待される再エネ関連の設備が登場するのは初めてです。その背景に一体どんな事情があるのかを探っていきます。

再エネ関連の設備施工会社が出品


太陽光発電所をオークションに出品したのは、再エネ関連の設備施工会社ウエストホールディングスの子会社の、ウエストエネルギーソリューションです。同社は太陽光発電の企画・施工を行っており、インターネットオークションの「ヤフオク」に出品しました。

出品されたのは、ウエストエネルギーソリューションが広島県三原市に保有する500kW相当の設備で、「ヤフオク」の「メンバーズオークション」(参加者限定型オークション)にかけられました。オークションは2月12日から19日までの8日間行われ、入札開始価格1億6100万円。落札価格や落札者は明らかにされていませんが、関係筋によると、落札価格は、1億7800万円で、西日本地域の事業者ということです。

太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備は、4月からの電力小売全面自由化によって、再エネ発電事業者の需要が高まると予想されています。それにもかかわらず、オークションにかけられた背景には、再エネに関する国の固定価格買取制度のひずみがあると見られます。

固定価格買取制度の仕組みにひずみ


再エネ固定価格買取制度は、再生可能エネルギーの普及を目指して国が、2012年7月に創設した制度で、今年は4年目を迎えます。制度の最大のひずみは、電力会社による再エネ電力の買い取り費用を、電力料金に上乗せする再エネ賦課金の形で、国民全体で負担とするとした制度の仕組みにあります。すなわち、再エネ電力の導入を増やせば増やすほど、再エネ賦課金が増大し、電気料金上昇による国民の負担が増大するというわけです。自分の会社や自宅に太陽光発電設備を設置していなくても、負担だけを強いられるという不満の声も聞かれます。

そうした懸念については、国も制度発足当初から予想し、再エネ電力の買取価格(国が認定した設備における買取価格)を毎年引き下げてきてはいます。しかし、太陽光発電については、比較的容易に設備を設置でき、再エネの切り札になるとの期待から、制度スタート当初の1、2年は買取価格を他の再エネに比べ、かなり高い価格に設定しました。

それが裏目に出て、太陽光発電事業者が急増、電力会社が買い取りできないほどに設備が増えました。そのため、電力会社によって、太陽光発電電力の受け入れ拒否という問題も生じました。中には、設備を設置したものの、稼働できない設備もあるといわれます。

今回のウエストエネルギーソリューションの設備の場合、2014年度に国の設備認定を受けた新設設備で、買取価格は1kWh当たり32円(10kW以上の事業用設備)と比較的高い価格で20年間買い取りが保証されています。太陽光発電の設備買取価格は年々低下し、2015年度ではkWh27円にまで低下しています。そのため、ここ1~2年、発電事業者の間では、太陽光発電については新規設備の設置を見送り、むしろ高い価格での買い取りを保証された既存の認定設備を買い取る動きが強まっています。そうした機運が今後続けば、太陽光発電の新規設備の縮小につながりかねません。

まとめ


再エネ固定価格買取制度は、太陽光発電に偏った制度の仕組みに大きなひずみがあるといえます。買取価格の設定については、地熱や風力発電など、他の再エネ電力とのバランスを考慮した検討が必要でしょう。

■著者■ 
廣瀬 鉄之介
エネルギー・環境ジャーナリスト
産経新聞社経済記者、編集委員として、経済・産業・エネルギー政策等の記事執筆を担当。退社後、経済産業省所管団体「原子力発電技術機構」及び「社会経済生産性本部」で原子力、その他エネルギー関係の広報、出版物の編集に携わる。原子力発電、電力自由化、再生可能エネルギー等に精通。

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