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「料金10%下がれば電力会社を乗り換えたい」が6割

原油安で電力大手も一斉に値下げを発表しています


制作:廣瀬 鉄之介(エネルギー・環境ジャーナリスト)

「料金10%下がれば電力会社を乗り換えたい」が6割

経済産業省は先ごろ、電力自由化に関する一般消費者の認知度調査の結果をまとめました。それによると、約8割の人が電力会社を乗り換えたいという意向を持っています。しかし、乗り換え時期については未定であり、当面は様子見という人が多いようです。また、自由化で最も関心が高いと思われる電気料金に関しては、「10%下がれば、乗り換えたい」という人が60%に上っていることも明らかになりました。4月からの小売電力の全面自由化を控え、電力会社はさまざまな料金プランを発表していますが、一般消費者はこれらを見比べながら、最も適したプランの選択を迫られることになります。

経済産業省の調査は、昨年11月、自由化の認知度を調べるために行った一般国民向けWEBアンケート調査です。調査は、全国の20~69歳の男女1000人を対象としています。
自由化に関するアンケート調査は、2013年4月に続き2回目ですが、2013年の場合は、全面自由化への賛否を問うものであり、調査内容が少し異なります。ただ、自由化の認知度など、同様な質問もありますが、今回の調査の場合、自由化の具体的な知識や、電力会社の乗り換え意向を聞く、興味深い項目もいくつかあります。

自由化を認知している人は9割


調査では、まず、「家庭向けの電力小売の自由化について、どの程度知っていますか」という質問に、「聞いたことはあるが、内容は知らない」までを含めると、自由化を認知している人の割合は全体で92.1%にのぼっています。2013年調査の69.8%に比べ、約2割増えていることがわかりました。自由化を知っている人のうち、「内容を詳しく知っている」「内容を知っている」「なんとなく知っている」をあわせると、約6割の人が内容を認知している形となっています。2013年の場合は約4割ですので、2割アップしたことになります。

また、自由化の認知度は、年齢が上がるほど向上し、女性より男性のほうが、認知度が高いことも分かりました。地域別では、大都市圏のほうが、やや認知度が高い傾向にあります。

4月から始まることを知らない人は4割


具体的な知識の認知では、「小売全面自由化が4月から始まることを知らない」人の割合が40.6%に達しています。また、「4月まで何も手続きしなかった場合、今までと変わらず現在契約している電力会社から電気が供給される」ことを「知らない」人の割合は52.5%にのぼっています。さらに、「電力会社を変更しても、停電の頻度や電気の質が変わらない」ことを「知らない」人の割合は70.3%にも達しています。自由化について、なんとなく知っていても、具体的な知識については理解が進んでいないことが明らかになっています。

安い電気料金を期待する人は44%


消費者が、自由化でもっとも関心の高いのは、電力会社を選べることができ、電気料金が安くなることを期待できるという点でしょう。この点について、アンケート調査では「あなたが電気の購入先を変更するとしたら、購入先に最も期待することは何ですか。ひとつだけあげてください」と言う質問項目があります。回答では、「月々の電気料金が安いこと」をあげる人が44.1%と圧倒的に多い割合となっています。次いで「電力供給が安定している(停電などの心配がない)」が24.2%です。「ご家庭の利用状況にあった新たな料金プランやサービスの提案力があること」(4.7%)、「災害時・トラブル時に迅速かつ適切に対応してくれること」(3.6%)、「経営基盤・財務内容がしっかりしていること」(3.4%)などはいずれもひとケタの低い割合となっています。

「あなたは、今後、電気の購入先の変更を検討したいと思いますか」と言う、電力会社の乗り換えの意向については、「すぐにでも変更したい」(2.8%)、「変更することを前提に検討したい」(20.9%)、「検討するが、変更するかどうかはわからない」(56.3%)をあわせると、80%の人が、少なくとも乗り換えの検討をする意向を示しています。残り20%の人は「特に検討はしない」と回答しています。

大半の人は乗り換え時期が決まっていない


乗り換えの時期については、「4月1日の家庭用電力の小売自由化後、すぐに変更したい」人は5.9%、「自由化後、半年以内には変更したい」人は16.6%、「自由化後、1年以内には変更したい」と言う人は13.4%、「自由化後、1年以上経ってから変更したい」と言う人は10.0%となっています。残り54.1%は「変更時期は特に決まっていない」という人です。切り替えの時期は、当面様子を見ると言う人が多いようです。

「電気料金がどの程度下がれば電力会社を切り替えますか」との問いに対しては、10%下がれば変更したいと言う人が60%、5%下がれば変更したいという人は15%となっています。「料金が下がっても変更しない」という人も7.8%います。

まとめ


今回の調査でかなり多くの人が電力会社の乗り換え希望を持っていることが分かりました。ただ、既存の大手電力会社10社以外に、1月18日現在、130社にのぼる新電力が、小売電気事業の登録に名乗りをあげています。その中から、消費者は自分に適した電力会社をどのように選択すればよいか、選択の方法について難しい点もあるようです。

■著者■ 
廣瀬 鉄之介
エネルギー・環境ジャーナリスト
産経新聞社経済記者、編集委員として、経済・産業・エネルギー政策等の記事執筆を担当。退社後、経済産業省所管団体「原子力発電技術機構」及び「社会経済生産性本部」で原子力、その他エネルギー関係の広報、出版物の編集に携わる。原子力発電、電力自由化、再生可能エネルギー等に精通。

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