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介護スタッフ不適格者の見分け方!履歴書から面接時の態度まで


制作:吉田 匡和(フリーライター)

介護スタッフ不適格者の見分け方!履歴書から面接時の態度まで

時々報道される介護職員による不祥事。「もし自分の施設の職員だったら」と、肝を冷やしている施設長や管理者はいませんか。
介護職員の有効求人倍率は、全国平均で2倍、東京に至っては4倍以上。深刻な人材難により「来る者は拒まず」という採用をしている事業所もあるでしょう。しかし安易な採用はリスクを高めるもと。介護は命を預かる仕事なため、人物を見極めて適格者を採用したいものです。そうは言っても何度も選考試験を重ねる時間が取れない場合、短時間で素性を見抜かなくてはなりません。そのためのコツをいくつか紹介します。

履歴書から人物像を予測する


履歴書は施設と応募者のファーストコンタクト。字が下手なのは仕方ないとしても、殴り書き、印鑑の二重押し、修正テープや修正ペンの使用、何かの食べこぼしによるシミなど、「本当に採用される気があるの?」と思うような履歴書は少なからずあります。過去には「老」と言う字を「考」と書いてきた人もいました。

本当に働きたいと思って書かれた履歴書からは熱意を感じますが、上記の履歴書からは、「やる気のなさ」しか伝わりません。面接の前から「その程度の志望度合」だと判断できるでしょう。また履歴書すら満足に書けないのであれば、日々の業務が適切に行えるのかも疑わしくなります。面接ではそのあたりをシビアに質問してみましょう。

<アドバイスポイント>

選考を「面接から」ではなく、「エントリーから」と考えると、わりと時間をかけて選べます。応募書類が届いたら隅々まで目を通し、面接の前に質問事項を整理してください。

受付時や退出時の挨拶や礼儀作法をジャッジ


施設に入館したときから選考を開始します。
介護の仕事は、同じ職員で同じ入居者とかかわるため、慣れ合いになりやすい傾向がありますので、「素の仕草が介護職員として適切か」と言うことを重要視します。

面接などの待ち時間では、担当者が見ていない安心感(実は見ている)からか、スマホをいじる、眠る、ピンと背筋を伸ばして呼び出しを待つなど、思い思いの過ごし方が見られます。まさにその人本来の姿を見る絶好のチャンス。有効に活かしましょう。

<アドバイスポイント>

受付係や案内係による評価はもちろん、死角になる場所から控室の様子が分かるようにセッティングするなど、あらゆる角度から応募者を観察して総合的に評価してください。

面接は見た目で判断する


面接において優秀な人を見抜くのは難しいですが、そうでない人を見抜くのは意外と簡単です。
例えば3人の男性が面接に来たとします。Aさんは短い髪にパリッとしたスーツ姿、Bさんはボサボサの髪にヨレヨレのスーツ、Cさんは金髪に真っ白なスーツ。皆さんは誰を採用しますか?

最近では新卒の会社説明会に「服装自由」としている企業があり、学生は当日の服装に困っているそうです。実は自由にすることで、「その場にふさわしい服装とは何か?」を試しています。介護は接客業ですので、入居者やご家族に失礼があってはいけません。その場にふさわしい服装や振る舞いができることは、最低限必要なのです。

<アドバイスポイント>

フレンドリーな対応は、一歩間違えば馴れ馴れしくなるもの。
だからこそ介護職員は、職業人であることを常に意識できる人でなければなりません。

感情を揺さぶってみる


近年施設での虐待が話題となっていますが、採用した職員が暴力沙汰を起こしたとなっては取り返しがつきません。
施設職員による虐待は個人の問題だけでなく、認知症ケア自体の難しさ、それに対する教育体制の不整備、慢性的な人手不足によるイライラも原因となります。

ストレス耐性を図る方法として「揺さぶり質問」という技法があります。これは、面接官がわざと応募者が嫌がるような厳しい質問や態度をし、それにどう対応するかを見るものです。ひどく興奮したり、露骨に嫌な顔をするようであれば、感情コントロールが上手く行えず多少のストレスでも「キレる」心配がありますので注意が必要です。

<アドバイスポイント>

筆者も何度か揺さぶり質問をされたことがありますが、決して愉快なものではありません。また不採用になった場合、施設に恨みを持たれる場合があります。できれば面接の最後に質問の意図を伝え、不快感を残さないように終了してください。

スタッフとの調和を考える


筆者が採用担当をしていた時のことです。
とても頭の回転が速くテキパキと動く方が応募されました。これまでの介護職員にいないタイプなので採用しようと思ったのですが、現場責任者から「ノンビリした職場にバリバリやるタイプは馴染まない」と言われました。
応募者が希望していたのは施設に改革を起こすこと。しかし介護現場が希望したのは、協調性を持って仕事を遂行できる人材でした。

イノベーションや活力を生み出すことは必要ですが、たった一人の改革派を投入しても、それが受け入られなければ押しつぶされてしまいます。双方の希望が乖離したため、改めて体制を整えてから新風を巻き起こす人材を採用することにしました。

<アドバイスポイント>

一般的な介護業務だけを求めるのか、将来的にはマネジメントまで担わせるのか、あらかじめ役割や適性を考慮して採用しないと、せっかくの逸材も実力を出せずに終わってしまいます。

まとめ


総括すると、「就労意欲が伝わらない人」「その場に応じた対応ができない人」「感情の統制が取れない人」「施設の求める能力と乖離する人」の4つが不適格者と言ったところです。

しかし何のレクチャーも受けていない人が、一回の面接で人の良し悪しを見抜くことなど至難の業。よりよい人材を採用したいのであれば「面接官研修」などに参加し、面接官としての基本スキルを身につけることをお勧めします。

★あわせて読みたい★ >>介護スタッフの採用に使える「TAを活用した適性診断解説ブック」

■著者■ 
吉田 匡和
フリーライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。

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