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公開日:2016年7月13日

どうなる? どうする? 2018年介護報酬改定問題

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吉田 匡和(フリーライター)

どうなる? どうする? 2018年問題

介護保険制度施行以来、介護報酬の改定が行われてきました。2015年に続き、2018年の改定は、かなりの衝撃を受けることが予想されています。ここでは2018年(平成30年)の介護報酬改定について、解説いたします。

なぜ介護報酬が見直されるのか


介護保険制度は、厚生省(現厚生労働省)の担当者自身が「走りながら考える」と言ったほど、見切り発車で施行されました。6年ごとに改定することを原則とし、今日まで下記のような改正が行われてきました。

・2006年:予防・地域密着型という概念を提唱
・2012年:地域包括ケアという概念を提唱

原則によると、2012年の次は2018年になるはずですが、2015年に異例の改正を行っています。この改正により、介護報酬の改正、高額所得者の自己負担2割の実施、特別養護老人ホームの長期入所対象者の変更などの大ナタが振られました。この影響は大きく、2015年には、制度施行以来過去最多の76件の介護事業所が倒産しました。

2018年(平成30年)介護報酬改定のポイント


2015年の改正は、さらなる大ナタを振るうための布石であると言われています。少子高齢化による社会保障費の抑制が狙いであり、施設から在宅へ移行を推進するという、これまでの流れを踏襲しながら、下記の内容が追加されています。

(1)新しい地域支援事業が全国において完全スタート

2015年4月の改正により、要支援の予防訪問介護と予防通所介護サービスは、介護保険から市町村の地域支援事業へと移行していますが、2018年より対象が要支援~要介護2に拡大。全てのサービスが対象となります。「共に支え合う」介護保険の理念が失われるとともに、軽度な要介護者や要支援者を対象としている事業所は、大きな打撃を受けることが予想されます。

(2)居宅介護支援の指定権限が市町村に移行

ケアマネへの市町村権限が大きく拡大する点がポイントです。改編される地域支援事業の運営主体となる新しい地域支援事業において、努力義務とされているケアマネの市町村事業への協力が拡大することが予想されます。

(3)診療報酬との同時改定

今回の改正は、第7次医療計画・第7期介護保険事業(支援)計画・第3期医療費適正化計画がスタートするダブル改正となります。これまで「医療と福祉の連携」と言われてきましたが、今回は一人の人に対し、状態に応じて医療や福祉が切れ間なくサービスを受ける体制づくりを目指し、「医療と福祉の一体」を協調。そのため、診療報酬と介護報酬に何らかの連動があることが予想されます。

2018年(平成30年)の介護報酬改定を予想


2018年の介護報酬改定は、2025年への通過点に過ぎません。日本は2025年に団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、これまで経験したことがない時代を迎えます。生産人口は減少により、医療と介護を中心に社会保障の破綻は目前。そうした状況を鑑みて、介護報酬改定の影響を予想しました。

・介護報酬・医療報酬はダウンする

報酬がアップできる要素が見当たらない。報酬を減らして加算を創設するかも知れないが、どこも人手不足で加算の対象にならず、実質的に減収になる事業所が増加する。

・介護事業所の倒産が増加する

すでに過剰供給気味であるにもかかわらず利用者が限定され、多くの介護事業所が倒産。急速に事業展開している事業所は、資金繰りや職員教育が追い付かず危険性が高い。医療機関も倒産するところが出てくるだろう。

・介護が日本を蝕む

高額でも施設を利用できる人と、低所得により家庭での介護を余儀なく強いられる人に二極化される。介護者は働くことができないたるため、生活保護件数が増加。日本の生産性も低下する。さらに介護殺人も増加。これまで以上の社会問題になります。

2018年(平成30年)の介護報酬改正は、日本が抱える超・超高齢化問題への国家的取り組みの一つであることが理解できたと思います。この荒波を乗り切るためには、事業内容の見直しや、公益事業・収益事業を行うなど、ずば抜けた経営手腕が試されるところです。

■著者■ 
吉田 匡和
フリーライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。

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