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地域の介護施設が一致団結!独自制度でケア向上[羊蹄山ろくケア向上委員会](2)


制作:吉田 匡和(フリーライター)

前回は、新任職員に統一した指導が困難なことや、重複して事業所を利用する方に対して共通したケアを行うための手段として、ケアライセンス制度が創設されたこと、ケアを統一させるためのツールの開発についてお伺いしました。

今回は、ケアライセンス制度の狙いや効果、今後の展望について、引き続き羊蹄山ろくケア向上委員会の福山典子氏(ニセコ町 ぐる~ぷほ~むきら里管理者)に話を伺います。

ケアライセンス制度の基本


ケアライセンス制度は基準を満たしていない者を振るいにかけるのではなく、「できない人は、どうすればできるようになるか」「できている場合でも、それ以上を目指すためには何をすればいいのか」技術指導と言うよりは、ものの考え方を伝えることを大切にしています。

ケアライセンス制度の狙い


<未経験者の教育の機会>

介護職員は、介護福祉士などの有資格者だけではなく未経験者も採用されます。残念なことですが、施設で適切な指導を行えなかったために、限界を感じて退職する方が後を絶ちません。そうした方々に対して教育の機会を設けることで「頑張ってみよう」と言う気持ちになってもらうことを期待しています。

<介護のプロとしての証>

未経験者が介護福祉士を取得するには実務経験3年以上が必要。お金も時間もかかります。年配の方の中には「今さら国家試験なんて」と思われる方もいるでしょう。資格はなくても真摯に取り組み、ケアのスキルが高い職員がケアライセンスを取得することは、「介護のプロ」と言う自覚と自信につながり、モチベーションも上がると考えています。

<介護力の底上げによるサービスの向上>

少数のスキルのある職員と、大勢のスキルのない職員では、どちらがよい介護ができるでしょうか。利用者が気持ちよく生活するためには、スキルを持った職員がどれほどいるかがカギとなります。介護力の底上げがなされ、職員全体がスキルアップすることは、利用者にとっても、介護職員にとっても有益なのです。

[写真提供:真狩羊蹄園]

今後の展望


評価者のスキルを上げ、数ヶ月中にケアライセンス制度が開始できるように準備をしています。現在は主任やリーダークラスが中心ですが、いずれは中堅職員にも幅を広げて、指導者を増やしていきたいですね。教える側と教わる側が共感し合えるのが理想です。評価基準は介護福祉士の合格ラインより高めの8割(介護福祉士は6割と言われている)とする予定です。3大介護トータルの評価にするか、1つの介護ごとの評価にするか、特浴など事業所によって行っていないサービスの扱いをどう評価するか、点数で評価するかA.B.Cなどの評定にするか、悩むところは多いです。

今後は、3年以内をめどに山麓施設の介護職員全員がケアライセンスを取得、5年後には地域の方々も仲間に入ってもらえるように働きかけたいと思っています。この辺りはリゾート地なので、介護が必要なお客さんに対して、介護を理解しているホテルマンが対応する。そんな地域になれば嬉しいですね。

[写真提供:真狩羊蹄園]

全国からケアライセンス制度への関心が高まっているようです。現在は、本格始動のための最終調整に入っているとのことですので、お問い合わせなどは、いましばらくお待ちください。経営会議ドットコムでは、今後も羊蹄山ろくケア向上委員会の取り組みをご報告させていただきます。

地域の介護施設が一致団結!独自制度でケア向上[羊蹄山ろくケア向上委員会](1)

■著者■ 
吉田 匡和
フリーライター
福祉業界では20年のキャリアを誇り、福祉系専門学校教職員、老人保健施設相談支援員、特別養護老人ホーム・デイサービスセンター生活相談員、特別養護老人ホーム事務長として勤務。退職後はフリーライターとなり、WEBを中心に活動している。社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーターの資格を保有。

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