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現役介護職員が「働きやすい」と感じた職場とは?


制作:山崎テツロウ(フリーライター・インタビューライター)

現役介護職員が「働きやすい」と感じた職場とは?

今回は複数の職場を介護職員として経験した方に、「これまでで働きやすいと感じた職場」について伺いました。その中で見えてきた、職員が働きやすい職場の環境と実際の取り組みについて紹介します。

「何を問題としているのか」がわかりやすい


働きやすい職場では「何を問題としているのか」が明確だそうです。特に、サービスを提供する業界では人を相手にするために臨機応変な対応が必要になり、日々、多くの問題が発生する中で何を本当に解決すべきなのかが見えなくなることがあります。

そういった状態を放置することは、「表面的には問題の解決が図られても、実は何も解決していない」という状況を生みやすく、その問題に本気で取り組んでいる人から見れば「会社は何もわかってくれない」という心理を生み出すことになります。このある種の悪循環をなくすためには、職員全体で「解決すべき課題」をしっかりと共有していることが重要になります。

周囲に課題を相談・共有できる環境作り(ツールの活用)


問題を明確化するための取り組みとして有効であるのは、やはり共有できるツールを効果的に使用することです。

・共有ノート
取り入れている企業も多い共有ツールとしては「共有ノート」があるのではないでしょうか。しかし、共有ノートは即時性や利便性の点で効果的な利用が難しい部分もあります。「持ち運びができない」、「書く時間がない」などはその代表的な問題になります。

・ラインのコミュニティ
話を伺った方の職場では、常時やり取りをできるツールとしてはラインを使用していたそうです。職場内でラインのグループを作り、そこにメモの形式で課題、意見、解決などを書いていくのは共有作業の効率化と全体での共有を容易にするアイディアであると言えるでしょう。一方で、ラインは高度に私的なアカウントを必要とすることや、情報保護の問題、また通信端末(携帯電話等)の種類によっては使用できない場合もあります。

ちなみに、よりビジネス向けの無料共有ツールとしては「Chat Work」などがあります。こちらもアプリケーションを使用することのできる端末を全員が所持していることが条件にはなりますが、「情報の共有」という点では利便性の高いツールと言えそうです。

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上司との関わり(上と下の関係)


働く人の満足度を考えたとき、上司との関わりはやはり重要になってきます。これは雇用者側から見ても、全体の意識を統一する機会と言えるでしょう。そのため、多くの企業で上司との個人面談の機会が定期的に設けられています。

・3カ月に1回の個人面談
概ね3カ月に1度の頻度での個人面談が一般的なようです。特に施設の管理者の立場にある上司との面談が行われることが働きやすさを作る上では重要だったそうです。また形式的な面談ではなく、よりその人の抱える問題を明確にして解決する糸口を探る面談であることが大切です。そうすることで、個人が大切にされていると感じることができるのではないでしょうか。

・上司からの声掛けについて
上司からの声掛けは大切な部分ではありますが、一歩間違えると不満を募らせる部分でもあります。特に「こうしたほうが良いよ」というありがちな声掛けは、相手のやる気をそぐ可能性が非常に高いものです。

先の共有ツールで問題の共有を図り、全体で解決を図っていくことにしっかりと取り組んでいる企業での声掛けは「何か問題はない?」がベストでしょう。上司の声掛けが「問題の答えを言う」ではなく「何が問題かを聞く」という組織は、働く人の満足度が高い組織であると言えます。

「いつも疑っていこう」を大切にする職場であること(組織の気風)


最後に、「最も働きやすい」と感じた職場では、「いつも疑っていこう」という考えを大切にしていたそうです。言い換えると「こうやって利用者の方と接する、こうやって補助するのが正解」という考え方を無くしていると言えます。

もちろん介護の基本的な部分では、普遍性の高い仕事もあるのでしょうが、やはりそこは人と人が関わる場所です。「利用者Aさんにとっては正しくても、利用者Bさんにとってはそうではない」問題や、「利用者Aさんと職員Cさんの関係ではその方法で良くても、利用者Aさんと、職員Dさんの関係では別の方法の方が良い」という利用者と職員間の関係性に起因するものもあります。

そういったことを前提にして、何が本当に良いのかいつも疑う組織は職員一人一人の人格を大切にしている組織であると言えるのではないでしょうか。ただし、あまりにも行きすぎると「えこひいきがある」と利用者の方に思われる危険性を孕む部分でもあるので、ある程度の普遍性は確保しつつ、一方で「絶対これしかダメ」といった指導ではない声掛けなどを探る必要があります。

まとめ


今回お話を伺った中で見えてきた「働きやすい」と感じる介護現場の特徴は以下のようになります。

・何が解決すべき課題なのかが明確である
・課題の共有のために、即時性、利便性の高いツールを使用している
・上司との関係が良好である(話を聞いてもらえる)
・「決まった答えしか認められない」を無くしている

超高齢者化を迎えた日本では介護職員の労働に対する満足度はさらに重要になってきます。今回お話を伺った中で特に大切であると感じたのは、「しっかりと情報の共有をすること」「一人一人の人格を大切にすること」の2点でした。どういった取り組みが正しいということはありませんが、この2点を意識して細部の取り組みを構築していくことが大切ではないでしょうか。

■著者■ 
山崎テツロウ
フリーライター・インタビューライター元私立学校教諭。現在、フリーランスのライターとしてノンジャンルに取材・執筆を行う。雑誌、WEB媒体においてインタビュー記事を多数執筆中。インタビューライターとして、インタビュー取材をもとにしたインタビュアーのセルフブランディングサポートも行っている。
公式HPはこちら【http://www.nomadic-kogamo.com

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