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中小企業のスカウト採用はなぜ失敗するのか?

いわゆる即戦力採用を成功するには


制作:福田 秀樹氏 (特定社会保険労務士/株式会社福田式経営研究所 代表取締役)

中小企業のスカウト採用はなぜ失敗するのか?

スカウト採用が90%失敗する理由


中小企業が、思い切ってスカウト採用や高いスペックの即戦力採用を行うことがあります。

私の経験上、10人のうち9人が失敗という印象を持っています。雇う側としたら、年収600万円~800万円程度を用意するわけですから、事前期待は相当高くなります。一方、雇われる側からしたら、以前の年収より下がらない(ちょっと上がる)ならOKということ、中小企業のほうがやりがいもあるかということで入社します。

ところが、社長としたら、「年収に見合わない働きぶり」が目につきます。なんか違うのです。違和感があるのです。特に「中堅以上企業出身で、履歴書が素晴らしい、40代以上で年収600万円~800万円の人」にミスマッチが起こる。

では、このミスマッチの原因は何か?というと、社長に人を見る目がなかったのか、また採用者の能力が低かったのか、などが思いつきます。もちろん、いずれも当たらずとも遠からずと思いますが、雇う側に「中小企業に高いスペックの即戦力採用は無理」という前提の理解が必要なのではないかと考えます。

その① 優秀な人は転職活動をしていない


1を言えば10を知る、社長の意を汲んで、器用に給与分以上の成果を上げる人材は労働市場に出回っていません。優秀な人は既存の会社で活躍しており、雇用者も引き留めに必死でしょうから、辞めさせない。

「なぜ、こんな高学歴で、立派な会社に勤めていた人がウチに応募してきたのだろう」

という人は要注意です。前職で女性問題、変な性癖が原因で退職を余儀なくされた、又は横領等で懲戒解雇となった人も過去に少なからずいました。

逆に、まだ辞めていないが、辞めようかと思っている優秀な人を引き抜くなどは成功の角度はあがるでしょう。

その② 受け入れ体制に問題がある


よく一部上場企業で、経理部長をしていたので、中小企業の総務部長なら問題なく勤まるだろう、と大いなる期待をして採用するなどがあります。しかし、この中途採用者は社長の期待に応えることができません。そもそも一部上場企業の経理部長と中小オーナー企業の総務部長の仕事は全く異なります。大手企業というのは、組織や職務分掌がしっかりしていて、こなす職務内容やこなしてきたキャリアが限定的で狭いことが多い。また、優秀な部下やアシスタントがサポートして、その環境下で、その狭い分野において、履歴書を華々しく飾る「成果」を出してきたということがあります。

そのような人物が中小企業にやってきても、社長の鶴の一声で方針がころころ変わり、組織は役割分担が不明瞭で液体のようで、また現場リーダーも不在、また当該人物の不得手を補う部下が配置されていなければ、成果を出すことはまず難しい。

たとえば、事業承継のときに先代につかえていた総務部長である、いわゆる「番頭さん」の変わりに即戦力採用をするとします。でも、この「番頭さん」は数十年にわたって、先代を支え、時には先代の家族の問題に巻き込まれ、常に従業員の間に入って尽力してきた方だとします。そうであれば、そう簡単に履歴書が素晴らしい「優秀な人」に「替わり」は勤まることはないのです。

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