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公開日:2015年9月7日

中小企業社長の適正年収、役員報酬の決め方

意外と決められない経営者の給与を決める5つのヒント


制作:経営会議ドットコム 編集グループ

3.自身が経営する会社の経営状況から適正年収を考える


社長の適正年収を考える2つ目の視点としては、会社の経営状況が挙げられます。

経営者の仕事を考えた時、短期的な売上・利益目標を達成すると共に、持続的成長を企業が果たすべく戦略的な意思決定、投資判断をおこなう事が求められます。
この経営者の意思決定を、短期的な経営指標で成果測定するのは難しいものです。
欧米では一般的に長期インセンティブの指標として、ROI(投資利益率)やTSR(株主総利益)等を用いますが、いずれも教科書的で中小企業にはピンときません。もう少し、分かりやすい指標が無いものでしょうか。

そういう意味では、社員一人当たりの付加価値(人的生産性)を元に年収を決めてみるのはいかがでしょうか。
社員一人当たりの付加価値とは、会社の付加価値の総和を、役員を含めた社員数で割ったものです。

付加価値とは、企業が新たに生み出した価値、付け加えた価値をあらわすもので、売上高からその売上を上げるために必要となった外部購入費や外注費の金額を差し引いて求めます。

社員数は正社員数に換算して求めます。例えば、週20時間勤務のパート社員なら正社員0.5人分という具合で、考え方としては時間で換算する方法と、給与で換算する方法があります。

よく利益分配とか成果分配と言いますが、この付加価値の分配が正しい考え方です。
逆に言えば、社員一人当たりの付加価値が低ければ、分配できる原資がありませんし、無理に分配すれば会社は赤字となる訳です。通常、付加価値の50%を給与に分配してしまえば、その会社の経営はカツカツです。

上場企業で、社員一人当たりの付加価値が高い業界は、銀行や総合商社、いずれも月給が高い業界です。年収ランキングでいつも顔を出すキーエンスは、社員一人当たり付加価値は約5000万円、平均年収1300万円も余裕で払える生産性です。

社員一人当たりの付加価値は、短期的な経営努力というより、戦略的なポジショニングやビジネスモデルの構築に大きく左右されます。
単年度の利益なら、売上に応じて経費をコントロールすれば獲得できますが、一人当たりの付加価値は、経費削減した所で増えません。

世の中のニーズをいち早くくみ取り、経営資源を集中投下する。
業界内の競合企業とは違う独自のポジションやオペレーションを確立する。
こういう事は、一朝一夕にできる事でなく、長期の経営的な意思決定によりなされていきます。

化粧品資材商社のA社は、取扱いの品ぞろえ、対応スピードは競合企業の2倍。扱う商材は同じでも、競合他社が真似できない独自ポジションを築き、一人当たりの付加価値は競合の2倍を実現した高生産性の企業です。

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では、一般の中小企業に欲しい、社員一人当たりの付加価値は幾ら程度でしょう?

それなりの利益を獲得するためには、やはり1200万円は欲しい所です。(中小企業平均で約800万円)
社員一人当たりの付加価値から適正な役員報酬を考えた時、社員一人当たりの付加価値が1000万円なら1500万円、2000万円なら3000万円と、1.5をかけた数字が、ひとつの目安です。

この報酬と付加価値の関係は、「なぜ多い? 不動産業界の年収5000万円超え社長」の中でも書いていますので、あわせて読んでみて下さい。

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