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社員の自己認知力を高める360度評価

上司が行う評価への不満を少しでも緩和させ、上司の部下育成力の向上に役立つ手法


制作:経営会議ドットコム 編集グループ

360度評価導入のポイント

大半の企業では評価がブラックボックスになっている


中堅以上の会社では何らかの形で社員評価を行なっていると思います。しかし、ほとんどの会社では社員評価を賞与や昇給の決定手段としてしか使用しておらず、有効に活用できているとは言えません。
また評価そのものがブラックボックスになっている企業も非常に多く、そのような企業では、会社や上司に対する社員の不満のもとになっているケースも見受けられます。
また仮にブラックボックスになっていなくても、上司の評価に対して納得していない、不満を持っている従業員も多いのではないかと思います。
このような上司評価に対する不満を少しでも削減するためには、評価者を多くするということが考えられます。複数の目で評価することによって評価の妥当性を高めようというものです。

評価の妥当性を高める360度評価


評価の目を増やす手法の一つとして360度評価をご紹介します。 360度評価とは、評価者を一人に絞るのではなく、他部署の上司や同僚、部下、取引先も含めて複数の人間が一人の従業員を評価するという方法です。この360度評価は目新しい手法ではなく、既に採用している企業も多くあります。 ここでは360度評価を導入するうえでのポイントや運営上の注意点について述べます。

360度評価導入上の注意点


① 対象者をよく知っている従業員を評価者に選ぶ
最初の注意点は評価者の選出についてです。評価する人は、もちろん評価の対象者を良く知っている人がよいでしょう。人数については5、6人、多くても10人くらいではないでしょうか。

② 誰が何点つけたかなど、評価結果をオープンにしない
自分の評価について誰が何点つけたのかがわかるのは当然良くありません。また評価するほうにとっても、もし自分のつけた点数が対象者に知れるというのであれば、率直な点数をつけることもできません。ただ評価結果を対象者に伝えなければ、対象者の意識変革につながらないので、結果は伝えなければなりません。そのため、評価結果については、個々の点数を伝えるのではなく、複数の評価結果を合算して平均点を伝えるようにします。

③ 処遇に反映させない
一人の対象者に対して複数の人が評価しますが、その評価結果全てを、その対象者の処遇に反映することは避けなければなりません。評価者のなかには部下もいます。 単純に部下の自分に対する評価が自分の昇給や賞与に影響を与えるということであれば、対象者もあまりいい気はしません。また部下が自分の上司を適切に評価できているかどうかというのも不安要素としてあります。

360度評価の活用方法


360度評価の活用方法としては、大きく以下の2つがあります。

① 対象者に伝え、対象者の自己客観視を促進する
一つ目の活用方法としては、360度評価の評価結果(の平均)を対象者に伝える方法です。つまり、自分が他人からのどのように見られているか、評価されているかを本人に伝えるということになります。これにより、自分ではきちんと仕事をしている、出来ていると思っているような事柄でも他人から見るとそうではなかったり、逆に自分では苦手、上手に出来ていないと思っている事柄も実はそうではなかったり、といったことがわかります。自分のことは自分ではなかなか見えない、把握できないものですから、他社からの評価を伝えることにより、本人の自己客観視力を高め、自分の良い点や改善すべき点についての気づきを高めようというものです。

② 上司に伝え、自分の評価の妥当性をチェックする
二つ目は、360度評価の評価結果を上司に伝え、自分が行なった評価と比較して上司評価の妥当性を確認しようというものです。上司は部下の業務遂行状況や業務スキルを的確に把握し業務管理や部下育成につなげなければなりませんが、一人の目で部下の全体像を把握することは困難です。そのため他者の視点を借りて、その従業員がどのような人なのか、業務遂行やスキルレベルは周囲からどのように認識されているのかという点をより良く知ろうというものです。
他者の評価をそのまま鵜呑みにすることにはリスクがあるかも知れませんが、自分とは違った目で対象者を確認するということも必要です。また他者の評価を踏まえて、自分がこれまでは見ていなかった、見ることができていなかった対象者の一面に触れることも重要です。

このように360度評価を上手に活用すれば、評価される側の従業員の評価結果や上司に対する不満を和らげるとともに、上司の評価スキル、ひいては部下育成能力を高めることも可能です。
評価は、従業員の業務遂行レベルを確認するためのツールとして有効かつ効果的です。評価結果を単に処遇に反映させるだけでなく、その透明性を高め従業員の不満を低くするとともに上司の部下育成力の向上に役立てましょう。

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