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デマコン運動で節電!企業の涙ぐましい努力の物語

コストダウンと社員の意識高揚を実現 100年続く会社作り


制作:経営会議ドットコム 編集グループ

高圧受電と低圧受電


 工場や大規模ビル・ホテルなどは消費電力が多く、電力会社と特殊な契約を結んでいます。
 営繕担当者やコストにうるさい経営者には当たり前の話ですが、小規模な事業者と大規模な事業所では、電気の契約形態は異なります。
 大規模な工場、ホテルなどの宿泊施設、冷蔵庫の塊のようなスーパーマーケットは高圧受電、小規模なオフィスや個人商店などの事業者は低圧受電で契約をしています。
 高圧受電の場合は初期費用にキュービクルが必要で、結構高額な投資が別に必要です。ただその分、使用電力の単価は低くなります。ちなみにキュービクルはキュービックルと言ったりする人がいます。
 コンビニは賢くて、店の電力量をうまく調節して低圧受電契約で初期投資を抑えているケースが多いです。

女子社員の掛け声で役員もバタつく食品加工工場のデマコン


 デマンドコントローラーを導入すると、働く社員は大変ですが妙な連帯感が生まれます。おおよそデマンドコントローラーの警報音がピーッピーッとなるのは7月~8月の正午頃が多いです。
 懇意にしている食品加工工場では、この時期は女子社員の「デマンド2をお知らせします!」、「デマンド3をお知らせします!」と警戒ステージがあがるごとに声のトーンが上がり、「やべぇ。俺も省エネやらねば。」という気持ちにさせられます。社外の人間ですら、ソワソワしますから、社員のコスト意識は自然と高くなります。電気料金値上げに伴い、批判の対象となっています、高額報酬の電力会社役員に見学に来てもらいたいくらいです。

ハードな交渉をすればデマンドをオーバーしてもOKになることもある


 電力会社は一般的には融通が利かないものです。
 東京電力の値上げ要請に抵抗している会社のニュースなども流れましたが、電気代を滞納すると供給ストップや資産差し押さえのリスクがあり、一般的には値上げ要請に従わない企業はほとんどありません。
 ただ、中には厳しい交渉をして他の会社が知らない好条件を引き出している会社も存在します。
 ある大規模な工場を複数かまえるS社長の実話を紹介しましょう。
 この会社ではデマンドコントロールに以前から、取り組んでいますが、以前は600kw超の契約電力であったものを、涙ぐましい努力で500kw目前まで数年かけて引き下げてきました。

 ただある年、社長が不在にしている週末に、外気温が40度近くまで上がり、デマンドの設定値をどうしても抑えることができず、かなり超過してしまったようです。
 営繕担当者から報告があがったのは数か月後。「社長すみません。7月にかなり暑い日があってデマンド超過したので、来年から100万くらい基本料金があがります」
 社長の回答は「デマンドの警報なったら皆、暑いの我慢してただろう?社長室のエアコンも消したのに、バカなこと言うな。」 営繕担当者:「でも電力会社との決まりですし・・・」
社長:「電力の担当呼んでくれ。直接話するから。」

後日、電力会社は食品加工工場の7月、8月のピーク電力が印字された5mくらいのロール紙を持参して来ました。

電力担当者:「デマンドオーバーした日は、S社長がおっしゃる日以外にも、もう一日ありますし、うちも全く契約電力を変更しないというのはちょっと…。」
S社長:「二番目のところなら、いくら高くなるの?」
電力担当者「この日なら、ちょっとオーバーしただけなので、年30万円くらいです」
S社長:「それで手をうとか」
電力担当者:「了解しました。」
S社長:「それでも30万高くなるのは負担だ。オール電化の宣伝を当社の社員食堂でしたらどう?ポスターの掲載料は3ヶ月で30万。製造部の掲示板にも貼ろう。」
電力担当者:「上司と相談します」

 後日、このポスター掲示料金の30万円は電力会社内で決済され、この食品加工工場の電気代負担は増えることがなかったようです。

トップ自らが節電に執念を燃やすという姿勢を示す


 この食品加工工場では社長自らが、年間100万円程度のコストダウンに動いたこともあり、電気代のコントロールが事業運営上、とても大切なテーマであることが理解されています。
 また一見難しそうにみえる商談でも、ポスターの掲載料で収入を作り、経費削減と同じ効果を出すという交渉術で成果を上げる機転も社内で事例として応用されました。
 経営者には、たくさんの経営判断や外部折衝の仕事があり、節電などは関心事ではないという方もいるかもしれませんが、働く社員へコスト意識を身に着けさせるのは別問題です。
 企業活動は事業を継続するかぎり何十年、何百年と続きます。働く社員のちょっとした節約意識、ちょっとした行動が累積すると大きな成果となるでしょう。
 目先の100万円の成果ではなく、意識改革のための経営者の方針伝達や行動。トヨタもあの突出したコストダウンの力で高い競争力を身に着けました。たかが節電、されど節電。ハイレベルなコスト意識を浸透させる社風づくりには節電はもってこいのテーマかもしれません。

費用をかけなくても出来ることはあります。「企業がコスト0円で出来る電気料金削減術」には、いますぐ出来る省エネ・節電策をご紹介していますので、あわせてお読みください。

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